仕事と晩飯とその他

日記です。

勉強は金のかからない最強の娯楽

某所に置いたセミナーの感想の続き。

本をざっくりと「娯楽」と「実用」にわける考え方について基本的にはよくわかる。営業的にもその視点は重要。自社だけでなく他社の企画も諸々見たけど、どっちつかずは結局ダメだよ。もちろん、実用なのか娯楽なのかわかりにくいジャンルはあるし、中には意図的に(狙って)曖昧にしている本もある。例えば、実用っぽく見せかけてるけど自己啓発本のほとんどは娯楽なんだよね。だから役に立つなんて読む方も期待してない。読み易いとか面白いとかの勝負になる。そこわかってないと勝負にもならない。

それはさておき。

「娯楽」と「実用」は、出版物に限らずコンテンツ、いや、人間の営為そのものと深く関わっているように思う。人文科学をきちんとやってるヒトは多分このあたりどういう学問的位置付けか分かるんだろうけどオレはそういう学は無いのでわからない。

何が言いたいかと言うと、実用的なコンテンツは娯楽に成り得るということだ。エロの話ではなく、勉強とか学問を含む知的欲求の話。小学館の「一番楽しい遊びは勉強だ」、講談社の「面白くてためになる」といったキャッチコピーに限らず、知的欲求は娯楽でもある。知るや学ぶは案外楽しい。昨日のセミナーでは「娯楽」と「実用」のどちらで捉えるか難しいジャンルの話題が出たが、その問題は大なり小なりどのジャンルでもある。

つまり、専門書・学術書・実用書の類であっても「娯楽」として消費されることは有り得るし、もしかするとそこがかなり重要なのではないかと考えている。ただし、狙ってできる社は少ない。ピケティとかああいうのは本当に例外。

この話題に関してはもうひとつ、昨日の話とは直接リンクしないが、コンテンツの消費時間の細分化(細切れのマイクロコンテンツ)という話題も絡んでくる。知的欲求に限らず娯楽のための時間をどう捻出するか。スポーツや旅行、食べ歩きなどは細切れだと難しい。知の娯楽も本来は細切れだと難しいのかもしれないが、そうも言っていられない。弊社の売れ筋にもこの傾向ははっきりとある。マイクロコンテンツとしての娯楽、そこでは案外、スマホと対抗できるものがある。

自分自身の例でお恥ずかしい限りだが、『磁力と重力の発見』も『新・明解C言語 実践編』も、完全に娯楽。後者は仕事に関連してる要素がないわけではないが、通常は「実用」に分類される本だと思う。

話は戻る。

資格書は「娯楽」か「実用」か。

語学は「娯楽」か「実用」か。

そのあたり、POSとは別に「販売促進」や「マーケティング」のネタとして関心がある。