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出版VANもしくは新出版ネットワーク

出版VANもしくは新出版ネットワーク

【用語】VAN(付加価値通信網 = Value Added Network、特定の目的のために使われる専用回線、インターネットが出てくる前の「オンライン」にほぼ該当。少し古めの言葉)

 「出版VAN」時代はNTT、「新出版ネットワーク」は富士通FIPが管理。ダイヤルアップ接続のプロバイダを思い出すとイメージは近い。「新出版ネットワーク」には通信回線だけではなく、それを使ってやり取りされるデータのフォーマットや通信のためのプロトコル(通信手順)なども含まれている。やりとりされるデータは書誌・在庫・発注・直受注(後述)・返品など。インターネットを経由する場合は業務システムの中に完全に組み込むことが難しい場合もあるがVAN経由だとシステムに組み込みやすい。プロトコル(通信手順)として使われている全銀手順(全銀TCP/IP)は信頼性が非常に高い。データのフォーマットについては標準化が進んでいるが、最近になって出てきた「直受注」と「返品」については事実上日販の方式がデファクトになりつつある。在庫STATUSは各出版社の事情により複雑化してしまっており、出庫可不可をベースとする見直しも提案されているが現状は進んでいない。あくまで取次と出版社を結ぶネットワークとして構築されているため書店の参加などは構想されていない。

●出版社→取次
書誌 (新刊登録)実際には使っていない模様
在庫 (在庫STATUS)出版社の在庫・出庫可不可
出荷 (発注情報の返信)取次在庫分・非在庫分の発注、シフトや桶川などの話題と関連性あり
受注【最新の話題】 (直受注)出版社が書店から直接受けた受注を取次に送信
     1.データ送信と合わせて該当する商品を搬入(※商品付き)
     2.在庫分は取次から出荷、非在庫分はVAN(もしくはメール)経由で出版社に発注(通常の発注サイクルに乗せるという意味、※新方式)

●取次→出版社

発注 (在庫分・非在庫分)取次が書店から受けた注文、取次在庫分・非在庫(シフト・シフト外)
返品【最新の話題】 (返品伝票データ)返品伝票と同じ内容をデータでも送信

※短冊を前提としていたトーハンの発注が桶川での「シフト搬入」実現によって短冊レスとなったことも最近の大きな話題。
※直受注は出版社→取次だけでなく倉庫→取次なども。
※返品データは「検品」「訂正」がカギ。