仕事と晩飯とその他

日記です。

売れた・売れないはデジタルだけど、買おう・やめとこうの気持ちの変化はアナログだ

トーハン「TONETS i」、9月27日にリリース
http://www.shinbunka.co.jp/news2012/09/120906-01.htm

POSデータは充実してきていると思うんですよ。それは大歓迎。

でも、自分は最近、小売のその先(つまりは購買者としての読者)に触れられないもどかしさが募りつつあります。隔靴掻痒。

中小出版社の「マーケティング」が「書店の話を聞く」の域を抜け出せていないという現状(ウチだけかも知れませんが)をどうやって打破するか。もちろん、書店が読者と対峙する現場であり販売において最も重要な場であるということは重々承知のうえで、書店に来ない客も含めた潜在的な読者とどう向き合うか。

悩ましいです。本当に悩ましい。

よく言われる「POSデータで似た本ばかり」も、結局は「特定のチェーンでの数字」しか見ていないことの弊害であり、また、「売れた」「売れない」だけに注目し、「売れたかも知れない可能性」や、「売れなかった本当の理由」をフィードバックできていないからなのだろう。

「買った」と「買わなかった」の結果である「売れた」「売れない」は簡単な二値でデジタルに表せる。けれど、「買った」と「買わなかった」、「買おう」「やめておこう」の間の気持ちはアナログだ。

そこをどうやって動かすか。いや、そもそも買おうと思った本人もその本に出会うまで気が付いていなかった潜在的なニーズをどう呼び起こすのか、顕在潜在問わずニーズにいかに訴えるのか、そもそも潜在顕在含めニーズはどれほど見込めるのか。

分からないことだらけだ。皆もそうなのだろうか。正直不安だ。そしてやることは尽きない。終わりはない。