仕事と晩飯とその他

日記です。

例の返事に煮詰まる

まあ、端的に言ってしまえばどの大学ってことがないってことはどの学部ってこともないってことなんだけどさ。

そうじゃなくて、そもそも「大学で学ぶ学問」というものについて根本的な誤解があるんじゃないかってことを考え始めたら自分の中でグルグル回ってしまって。

実学の系譜っていうのは確かにあるけど、その一方で、綿々とつながる「学究」というか「学問」というかは大学の下地として間違いなく存在している。両者の違いは、「分かっていることを知ることで現実に対応する実践につなげること」と「分かっていることを知ることで研究対象とすべき分からないことを探し、さらにそれを探求すること」なんだろうとは思う。

医学部で言えば臨床医と研究医の違い? いや、ちょっと違うか。病理学者と医者の違いみたいなもんか? その辺はよく分からんな。

大学での学問が「役に立つ」ことに直結すると思っていると、大学での学問の役に立たなさ加減に腹が立つかも知れない。というかオレはちょっとそういうところがあった。

でも、今になって思うと根本的に間違ってたんだよなあ。大学での学問(研究系)は、分かっていることを知ることで研究対象とすべき分からないことを探すこと」と、「研究が終った時(分からないことが分かった時)、新たな研究対象を探し続ける能力を身につけること」、だったんだよなあ。だから、ある意味、生涯の研究対象とすべきことはなるべく簡単に分からないことのほうがいいんだ。

すぐに分かることに面白さを感じていた俺は、結局、分かっていることを知ることが面白かっただけで、そこからもう一歩先の分からないことを見つけることが見えていなかった。

こんないい年になってそんなことに気が付いたわけだが、それをこれから大学で何かを得ようと思っている若者にどう説明すべきだろうか。

んー、でも、大学で教えている人間もそういうことにちょっと無自覚な奴いるよなあ。自分の知ってることを教えているだけのヒト。まあ、それでも「オレを越えていけ」は有り得るからいいのか。どうかな。

実学の系譜っていうの確かにあるからなあ。別れてると分かりやすいんだけど、今の学制だとどっちも結局「大学」にならざるを得ないから。教育制度って大変な話だなあ。