仕事と晩飯とその他

日記です。

ヒットが出るまでの辛抱、じゃないって

だいぶ前に中堅クラスの出版社の人間から「ヒットが出るまでの間は辛抱」といった旨の話を聞いた。そりゃ違うよ、と思ったが、そんなもんかも、という気がしないわけでもなかった。

うーん、どうだろ、今の自分の立場としてはやっぱ「そりゃ違う」が正解かな。

なんかもう「本当にそんな本がベストセラーになると思ってんのか」もっと言うと「本当にその本が売れると思ってんのか」って真正面から問い質したくなるような本もあるよ、そりゃ。でもなんか売れるような気がしちゃうんだろうな。わかるけどさ。夢見るのはタダだし。

地味系の零細出版社が生き残るためにはベストセラーは別の惑星の話もしくは都市伝説の類として「そりゃいいですねえ」程度に聞き流すぐらいの心構えが必要なのではないかと思う。売れないのがデフォルト。

ただし、売れないのがデフォルトでも売らないのはアウト。

数十万ではなく数年で数万を基準に考える。数万を売るためには売るための努力は必須だが、営業努力が全てだなどと考えるのは禁物。むしろ営業は足を引っ張らないことを心がけるべきか。売れるための障害を地道に取り除くこと。底抜けに地味だ。

数十万売るための営業努力を前提にすることはどうもオレにはできないようだ。なので無理をしないことが肝心。

久しぶりに目が痛くなるぐらい数字を見ていたらここまでうすらぼんやりとしか確認できていなかった点が明確になっていることがわかった。昨年も最後の最後で頑張って返品率の暴走を少しだけ食い止めることができたが、今年は数年前の水準まで行けそうな気がしてきた。返品率が下がるとより大きな利益が確保できる。

オレが商売に向いてるだなんて思っちゃいないが、もっと根本的なところでオレよりはるかに商売に向いてないと思われる方がこの業界にはゴロゴロいたりする。それでもなんとかなっちゃうのがもしかしたらよくないのかも知れないんだよなあ。まあ、この業界のぬるい体質は嫌いじゃないんだけどねえ。どうだかなあ。腹立つことも多いしねえ。