仕事と晩飯とその他

日記です。

営業力と企画力(今年の雑感)

今年は、個人的に「出版は企画力だなあ」と思わされる出来事と同時に「出版は営業力だなあ」と思わされる出来事があった。どちらも真実。非常にリアル。

「企画力」の中身は旬の著者で旬のテーマ(内容云々ではない)。「営業力」の中身は店頭での露出確保(内容云々ではない)。身も蓋もないが、要はそういうことだ。残念ながら、「売れる」という一点に於いては流通力とか標準化力とかみたいなものはほとんど関係が無さそうだということを痛感させられる一年だった。ちょっと悔しい。

しかし、「売り続ける」とか、そもそも「出版活動を続ける」にあたっては流通力とか標準化力みたいなものは不可欠だ。ガタガタ迷走しているように見えた電子書籍も、流通が整備されフォーマットの標準化が見えてきたことによって光がさしてきた。

もちろん、そういう枠組みから離れたところでイノベーションが、という考えもあるとは思うし、実際にそういう例は多々ある。それは否定しない。けれど、それらも、業界の狭い枠組みとは別の、もっと大きな意味での流通力や標準化の影響を受けている。

狭いからといって古いわけでもなく、古いからといって効率が悪いわけでもない。なんというか、限定されているからこそできることというのは間違いなくあると思う。

反省の多い一年ではある。特に直接的なところで結果を残せたことも残せなかったこともある。足りないものもあった。冒頭に挙げた「企画力」と「営業力」、これについて自分はどちらもまったく足りていなかった。その基礎となる力を元々あまり持ち合わせていないのかも知れない。いや、もしかしたら違う方向に走り続けてしまったのかも。思い当たる節もないわけではない。