仕事と晩飯とその他

日記です。

電子書籍専門出版社立ち上げ支援サービス?

自費出版ビジネスの次は電子書籍専門出版社立ち上げ支援サービスが来ると思う。悪い意味で。

初期投資が少なくなるから分、会社として立ち上げたほうが少リスクで高リターンを期待できます。というのが決め台詞。

「誰でも作家の電子書籍の時代だから、あなたも作家を育ててみませんか?」みたいなキャッチコピーで、プロデューサーなりたがり症候群の人々もターゲットに。

「電子出版で売れたら、紙の本での販売も考えてみませんか? 取次やオンライン書店との取引も一手にお取り扱いいたします」、みたいなオプションも。

自分でああだこうだ言ってるうちに「悪徳業者が有力な電子書籍専門出版社支援サービスを立ち上げる前に私が……」みたいな声がオレの脳内でこだましている。まさに悪魔のささやき……。

電子でも紙でも出版コンサル系、少なくないけど、最近になって色々思う。出版社やめて「不慮の起業」をせざるを得なくなったら、それも選択肢なんだろうなあ、と。出版以外にできること思いつかなくなっちゃうんだよね。他人事ではないです。

とあるメーカーのお仕事を手伝った際、自分の前に絡んでいたのが某有名雑誌の記者さんを定年で退職された出版コンサルの方だった。けっこう派手に予算を消化していたらしい。メーカーの現場の方々はオレが提示したコンテンツ作成の金額に驚いていたけど、既に用意できてるテキストデータを渡すだけだったんだけだから。まあ、二桁違ったわけだ。

その時は「ジジイ楽して儲けやがったな」と、苦笑しただけだったが、今になると「相手にとってはいつでも切れる気軽なビジネスなんだから短期でなるべく稼がないと」という爺さんの気持ちがわかる。次が無い個人事業主だからこそ、稼げる時になるべく稼げ。

そのコンサルの方はさほど困ってる風でもなかったがあれもポーズだったのかも知れない。結局、オレはあのヒトの仕事を奪った。それも格安で。数年も経たずに事業部は無くなった。その後、そのメーカーそのものが身売りした。

編集でも営業でも流通でも小売でもちゃんとした経験がほとんど無いのに「出版コンサル」の肩書きで名刺を配ってる若い連中がいるのは知ってる。というか知り合いにもいる。彼ら彼女らの懸命さを非難はできない。それは頭ではわかっている。

が、彼ら彼女らを生み出した、若い奴らを使い捨てにせざるをえない構造には、少なからず危機感を抱いている。