仕事と晩飯とその他

日記です。

営業努力

「何をやっても売れる本と何をやっても売れない本はあるが、何もしなくても売れる本など無い。」

売れない本だからこそ営業努力が必要なのだと思うことも多いのです。ジャンジャン売れる本は何をやっても売れるわけで、そこで重要なのは最後の在庫を残さないことぐらいでしょう(それが意外と難しいらしいけど)。
でも、黙っててもジャンジャン売れる本っていうのは本当にレアケースで、普通は黙ってると売れなくなるんじゃないかなあ。1Q84ハリーポッターですら「(とんでもなく)売れてます」という情報を流し続けてこその売上なわけで、あれが文字通り「何もしない」でどれぐらい売れるかと言うと、結果は少し違ったものになったのではないかと思うのです。まあ、どこかの一線を越えると自分たちが何もしなくても周囲が勝手にどんどん盛り上げてくれることはあるようですが。
売れる本は読者対象を広げるなどしてさらに売り伸ばすことが可能だし、そのための営業努力は楽しい。けれど、売れない本を売れるようにするのはすごく難しいし、そのための営業努力は辛かったり苦しかったり無駄骨に思えたり腹立たしかったりする、こともある。あまりそんなこと考えずに淡々とこなすのもアリですが、やっぱり少しでも面白さがあったほうが良いと思うのですよ。
まあ、中には奇特な人もいて、社内の誰もが「売れない」と思って放り出してしまったものを粘り強く「売れる」ように努力を重ねたりという話もないわけじゃない。そこまで劇的じゃなくてもちょっとの積み重ねが嬉しかったりすることはよくわかる。その辺はだから人による部分もあるのかなあ、と。
そうは言っても、営業努力のための前提みたいなものはあると思うんですよ。大抵の仕事にはルールや形式のようなものがある。「オレが新しいルールを作るんだ」という気概は別にいいんですよ、でも、そのためには今のルールや形式を知らなきゃいけないしそうじゃなきゃ乗り越えられないじゃないですか。「いや、今のルールは(ネットでチロッと読んだら)悪者に有利なルールだからそんなルールに関心は無いね」みたいな話、冷静に考えるとおかしいと思うんですよ。だけどけっこうまかり通っちゃってる。
営業努力についても似たような空気を感じることはありますね。「現状はよろしくない」が前提になってると今の手法は否定されることもある。でも現実には古臭いやり方はとても有効なんです。