仕事と晩飯とその他

日記です。

『ハーメルンの笛吹き男』

朝読に何を薦めようかばかり考えている。

『<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4480022724/">ハーメルンの笛吹き男</a>』はどうかと思ったが、ちょっと難しいかな。もう少し前提となる世界史なりの知識が入ってからのほうが興味深く読めそうだ。
 海外文学が苦手という人からよく聞くのは「名前が覚えられないから」というセリフだが、これは名前というより文化的な背景が把握し切れていないからではないか。海外文学に限らず、馴染みの無い世界を描いている本に共通の課題だろう。既に日本の明治大正戦前戦中あたりの本は、その当時の日常を切り取っていたとしても「馴染みの無い世界」になっているような気がする。『<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4003315812/">君たちはどう生きるか</a>』を薦めにくいのはそのあたりもあってのことだ。このあたりはもう思い切ってジュニア版なりを薦めたほうがいいのかもしれない。
 ジュニア版を薦めたい典型は『<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4122003512/">ボートの三人男</a>』か。子供の頃、どこかの児童文学全集で読んだ時は猛烈に面白かったというのにいい年になってから読んだ全訳の退屈なこと。訳の問題かと思って原文も少しだけ挑戦してみたが、回りくどい言い回しと薀蓄が読みにくいことこのうえない。原文が楽しめないのは単に英文読解能力が足りないからだけかも知れないが……。いや、これにも薀蓄や気取った言い回しの前提となるものが把握し切れていないという課題はありそうだ。読むための前提、大人の読書もなかなか大変だ。