仕事と晩飯とその他

日記です。

『新世紀メディア論』に関する個人的な感想

感想を書いておくかと思って改めてタイトルを確認する。『<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4862381294/">新世紀メディア論 新聞・雑誌が死ぬ前に</a>』、うむ、そうだよな、この本は雑誌というメディアを再構築したいと願うメディア狂いのための本だ。ぴったりのタイトルだ。

紙になった本をきちんと読んでみてはっきりとわかったこと。オレは雑誌にもメディアにも、そしてもちろん編集にも、さらに言うと「出版」にも、こだわりってものがあまり無いようだ。前の会社も今の会社も出版社としてはちょっと違う形態だからかも知れないが、問題はそんなことよりもっと深くにありそうだ。多分、紙の出版は商売だから儲かる方法を考えているがそこにもこだわりがあるのかと言われると無いような気がする。本だから面白いのではなく形のある物を売っているから面白い。扱っている商品がたまたま本で、本は嫌いじゃないかな程度の話。紙の本を売るのが面白いだけなのだろう。身も蓋も無いが。

気になった点。エコーについて。これこそ雑誌や雑誌的書籍の本質じゃないのかなあ。ずっとこうじゃないですか。オリジナルなんてほとんど無いよ、出版業界。今さらって感じがするんですが、どうでしょうか。流行の本なんてだいたいこれじゃん。自己啓発系とか典型的だけど。出版なんて、エラそうなこと言っても、今も昔もそんな「張り子のメディア」が実体です。だから、とっくのとうに自由なメディアなんです。流通? 金儲けの話だけですよ、そこで問題になるのは。儲からなくていいならブログと同様に流通も自由です。ずっと前から。ブログだって儲けるの大変でしょ? それと一緒です。何の違いも無い、とボクは思います。

つくづく思う。出版人って言葉とは縁がないというか遠いなあ。出版産業従事者、うん、オレにはこっちのほうがしっくり来る。

連載を読んでいた時から、もうとっくに新聞などとっていないし雑誌もほとんど読まない(これは昔から)うえにテレビも見ない、ケータイも使わない、情報はネットで十分と思いつつも自らの手によるメディアの構築とかに全然関心がないオレのような人間が読んでも得る所はほとんど無いのではと思っていたが、そこについて感想はほとんど変化していない。が、いくつか気持ちに残った言葉はあった。それは新しいことをやろうとしてもがいている経営者としての言葉なのだが、メディア云々の話とは全く関係ない。