仕事と晩飯とその他

日記です。

商品とメーカーの絞込みが可能な小売店

<a href="http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=173280&log=20090319">先日も触れた</a>がもう少し。

リアル書店は「何でも置いてある」品揃えで勝負しようとしても物理的な限界の無いオンライン書店とは勝負にならない可能性が高い。「あの店は全然揃っていない」とかいう出版社の人間の台詞は「オレの編集した本が並んでいない」という意味なので割り引いて考える必要があるが、それにしても限界はある。「自主仕入」「目利き」とは「売れるものを仕入れる」ということだけでなく、「店のカラーに合わない商品を排除する」という点においてより重要になる。「売りたい本を集めました」みたいなファンタジーが喧伝されるのにはいい加減うんざりしている。これからは「店に置かない本をどうやって選び、排除するか」、そこだ。売れるからと言って置くわけではなく、売れないからと言っておかないわけではない。前提として店舗のブランドイメージは必須だ。

Mの中でもO店やN店は、「置かない本(と出版社)を捨て去ることが店舗のブランドイメージを維持するために役立つだけでなく顧客のニーズにも見合っている」状態にあるのではないかと思っている。何もかもが揃っているなどという幻想から脱却することをいち早く可能にするコンセプトが具現化されつつある。新たな合従連衡は中途半端な妥協を排除した店作りを後押しするのではないだろうか。文具も強みになる。ガキを相手にする必要はないのだ。いい意味での大人を相手にした店舗作り、それは多分、Jとは少し違う方向性になる。

Jはまだ「全てが揃う棚」を模索している気もする。が、ここで重要になってくるのがMの外商とTだ。店舗に在る本だけでなく店舗に無い本も売るためのシステム。MがAと提携したのは衝撃だったが、そこには「店舗で扱う商品の絞込み」と同時に「店舗で扱っていない商品からの売上」という要素もあった。そしてMの外商もTも無店舗販売として確立されたスタイルを持っている。Jの「全てが揃う品揃え」が棚から自由になった時、オンライン書店の品揃えと真っ向から対抗できるリアル書店が生まれる。

この三者には「川上の都合だけに流されない」というスタンスが共通しているように思う。川上の言いなりどころか川上の商品置き場と化しているようなチェーンもある中、奇特な話と言える。だからこそ、自分はこの三社の一体化(再編?)に期待している。