仕事と晩飯とその他

日記です。

ランキング問題についての疑問など その4

「でるべん」での質問用メモ。その4

【売りたい本を売るのだ】書店が供給側の要求ではなく需要の側の欲求に忠実であらんとすること、読者がランキングに頼って本を買うかどうかではなく、小売店(書店)が従来の供給側の要求から脱却し、消費者の欲求に答えようとすること、それが「ランキング問題」の正体ではないかと自分は考えている。もちろん書店でも「ランキングじゃないんだよ」という書店があるのはよくわかる。だが、「ランキングじゃない本」が従来と同様の出版社のブランドや良書幻想に基づいていないという保証はない。「売りたい本を売るのだ」、と、「欲しいと思っているヒトがいる本を売るのだ」という姿勢は180度違うように自分は思う。前者はどこか気位の高い出版社の編集者と似ている。「俺の作った(選んだ)本を読め」、本気でそう言い放つヒトは少なくない(編集者は本当に作り手なのか? という雷句問題につながる疑問についてはここでは触れない)。
【自主仕入の先にあるもの】書店が徹底的に消費者の欲求に答えていく先に何があるのか、自分は「プライベートブランド」であろうと考えている。元々たくさん本を買わないヒトにとって出版社の名前などほとんど意味は無い。100円ショップで古典の文庫本が売られていた。大型チェーンが同じことを考えてもおかしくはない。それに近い動きは既にある。
【全く別の論理】ここまでの出版社と書店と読者の関係性とは全く別のビジネスモデルがある。自費出版だ。自費出版は読む側のニーズが無くても成立する。従来の出版社・書店・読者とは全く別の「著者」と「著者のための出版社」。100円本やプライベートブランド以上にこちらのほうが問題だと自分は思っている。少なくとも、同じ土俵で勝負すべきではないと考えているのだが……(愚痴か……)。
(もう一回だけ続く)