仕事と晩飯とその他

日記です。

ランキング問題についての疑問など その2

「でるべん」での質問用メモ。前日の続き。

【もうひとつの課題(の続き)】従来の「書評」や「ランキング」がある意味「内輪」のものであったのに対し、新しい「ランキング」や「バズ・マーケティング」「ブログでの感想」等々は「外野」に相当する。「内輪」の書評やランキングに対しての働きかけ(操作とも言うが)は可能だったが外野になるとそう簡単にはいかない。内輪の書評やランキングに対して操作ができたことをよく知っているからこそ「ランキングの恣意性」に危惧を感じているのではないだろうか。もう一度まとめると、ランキングの恣意性に対する危険性の指摘はその危険性をよく知っているからこそであり、しかもそれがコントロールできないものになりつつあることに対して不安が募っている、ということなのかもしれない。重要なのはここでも視点は徹底的に供給側の視点であるということだ。ランキングの危険性を指摘しているのは誰か、もう一度よく考えてみて欲しい。大小問わずそれに危惧を提示するのは供給側かそれの内輪だ。
マーケティングの問題】前項で触れたとおり、特にネット上の操作しやすい話題やランキングについてはマーケターの合戦場となってしまっている。他のメディアで他の商品の話題を生み出しランクを吊り上げることに比べると出版物は比較的容易く操作が可能だと思われているし結果は実際にそうなっている。「作られた話題」や「作られたランキング」が一人歩きしている。これには確かに危惧も感じるが、それ以上に「では、今までの出版社は何をやってたのか」という気もする(この辺は感想)。牧歌的だった出版業界に「マーケティング」というか「商売っ気」が一気に押し寄せてきた結果であり、「需要を作り出す」というと聞こえはいいが、実際には騙しギリギリの手法が一般化してしまったことに反省が無いわけではない(これも感想)。が、供給側の過剰なマーケティングによって作り出されたランキングを書店が参考にするのが悪いというのもまた供給側の論理でしかない。では書店は何を参照すべきか。出版業界は過剰なマーケティングを排除し読者の欲求を反映した品揃えのための客観的な指標を提供できるのか。

(次の項に続く)