仕事と晩飯とその他

日記です。

吸収できる価格帯

紙も燃料も影響が出ないはずがない。

これからの新刊の価格は徐々に上がっていくものと思われるが、問題は既刊。価格を変更するのか、それとも思い切って改訂版として新たに世に問うか。価格のみの変更は実は意外と面倒だったりする。もうしばらくすると改訂版がごっそり出てくるのか……。まだわからない

だいぶしばらく前から単品の粗利を課題にしていたのでいくつかの例外を除くとある程度のコスト高は吸収できる、予定。新刊の価格決定も既にかなり慎重になっているが、コストがどのくらい上がるかだけでなく商品としての寿命がいつまで保てるか、いや、いつまで売り続けたいのかということも含めての判断なので難しい。短期勝負のものはそんなこと考える必要はないわけだが、長く売ることを前提とすると途端に難しくなる。とはいえ長くと言っても数年のスパン、よほどのことが無ければ吸収できる価格帯というのはあるはず。

どこの社でもあるとは思うが、さほど大きな数ではなくとも「思ったより長く売れちゃって」ということで細く長く売れ続ける商品。デフレ傾向が続いている限りはそういう商品は安定した売上を確保する有り難い商品だが、コストが騰がってしまうと利益を生み出すどころか下手すると気がつかない程度の赤字を垂れ流し続けることにもなりかねない。元からそんな細かい売上の商品は見ちゃいねえよって社も多いが、小さい出版社にとって細く長く売れる本は宝物だ。思い切って改訂してみたところで「昔の方がよかった」になりかねないという怖さもある。嗜好は意外と保守的だ。

そのあたりのことも勘案して新刊だけでなく既刊、特にロングセラー商品の価格も確認しているのだが、驚いたことに弊社の場合は昔の方が価格が高いという結論に。一時期のデフレ傾向に過剰に反応し過ぎたということなのだろうか。そんなつもりはまったくなかったのだが、どうやら結果を見るとそういうことのようだ。

ということはつまり、一部の商品を除けば長く売ることに現時点で課題はあまりないということになる。そうですか。考えようによってはなかなかいい話のようにも思える。実際いい話なのだが。

しかし、無理した価格帯の商品はダメかもしれない。現実的にそこそこ売れてもあまり利益を確保できていないモノはこの際思い切って見直す必要があるようだ。来年の課題だな。