仕事と晩飯とその他

日記です。

考えることは皆同じ

『<a href="http://d.hatena.ne.jp/chakichaki/">本屋のほんね</a>』の<a href="http://d.hatena.ne.jp/chakichaki/20061225#p1">最新エントリー</a>

私もほとんど同じことを考えて某MLで提案しています。実現への道は果てしなく険しいですが。確実な棚確保&広い範囲への働きかけ&リーズナブルな価格設定&マス媒体での広告宣伝・書評等、その他諸々について詰める必要はありますが、単行本で数万部〜十数万部程度売れた本は文庫でも充分行けるはず。電子書籍がどうこう言われてはいますが、データのワンソースマルチユースという意味で言えば「判型を変えて廉価版で」だって当然「有り」なわけです。

倉庫や流通・販売だけでなく制作面でのコストダウンもかなり大きなメリットになりそうです。レイアウトの要素が重要な学習参考書的な書籍は厳しいかもしれません、読み物的な本であればテキストデータを前提として製作コストを削減。表紙やカバーなどのデザインはもちろん、紙を統一することで直接的なメリットが得られる。

先進的な物流倉庫はシステムに関しての負担が大きく、逆にシステムに対しての取組が遅れている倉庫は流れから取り残される可能性まで生まれています。版元にとってより利便性の高いシステムと運用、自社倉庫に近い形態でのコスト削減にはスケールメリットが必須です。

文庫での協業の先には企画についての自由度も高くなることが予想されます。A社の著者が通常とはちょっと傾向の違う企画を提案してきた場合、今までであれば断るかせいぜい知り合いの他社に紹介するかぐらいでしたが、今度は「文庫化で自社にとってもメリットが生まれる可能性」を念頭に協業している他社を紹介することが可能になるわけです。

電子化以前から、雑誌連載→単行本→文庫、の流れは古典的ではあっても非常に有効な「ワンソースマルチユース」。中小零細版元が自前でこの流れを作るのは以前にも増して厳しくなっている。一社で無理なら協業しかないと思うのですが、皆さんはどうでしょう。

大手でも充分通用するビッグネームを抱えている中小零細版元はたくさんある中でchakichakiさんはいいところ攻めてきますね。そういうのですよ、まさに。小説だけでなくノンフィクションや実用系なんて宝の山。まあ、そういう出版社はそれが「宝だ」と分かっているのでなかなか手放さないんですけどね。