仕事と晩飯とその他

日記です。

なんでもかんでも業界のせいなのか?

他の業界の話が出るとすぐに「出版業界はぬるい」みたいなこという人がいるが、「ぬるさ」は居心地の良さでもあるのだから悪いとばかりも決め付けられないんじゃないかなあ。それと、本のセールスに関して言えば小手先のテクニック満載で押し売りして買ってもらってどうすんのよ、って気が根本的にするんだけど。いや、「本なんて売れないもんさ」ってやさぐれてしまうつもりはなくて、なんかマスセールスの方法論を持ってきて数回はうまくいっても継続的にはどうですか、ってこと。同じもの何度も買わないよ、普通は。その辺、どうなんだろうか。ま、そんなこと言ってるから売れないのかなあ。でも他業界の話だと無条件に礼賛するのも違うと思うんだよな。寡占化が進んでいる業界では中小零細は悲惨な過程を経て統廃合されていったりしているわけで、まさにそういう「血を流す」努力が足りないって言われるとその通りかなという気もするが。

新文化の提言、あれは消費者の視点じゃないと思うなあ。本当に消費者の視点に立てば途中の過程(流通や販売)なんかどうでもいいんじゃないのかなあ。要は(自分の)欲しい本が近所の店では手に入らない、もしくはどの本を読んでいいかわからない、ってことに対してネットで調べると業界のバカさ加減みたいなのが喧伝されてるからいっちょオレの素晴らしい天才的なアイディアを無料で提供してやるか、ってな匂いを感じたんだけど、どうなんだろう。基本的にバカにバカにされてる感じがしたのは気のせいだろうか? 出版業界の皆さんはどうですか? ネットや業界紙で繰り返されている業界に対する不満には反省や韜晦は含まれているもんだと自分は理解していますが、例の投書の方は文字通りに受け取っているみたい。アレを乗せた新文化にちょっと疑問。ていうか結局その程度の問題という認識だったのねっていうか。

正直言ってブレストに近いひらめきアイディアを提示されるより来年7月の王子の新流通センターのことやメール便の料金やブックオフとCCCの共通ポイントの今後や太洋社の返品が出版共同流通に乗ることや夢屋の帳合変更が遅れた理由や来年3月からの都内の交通の共通ICカード化によって予想される商圏の変化とか、役に立つ事実や中立的な立場でなければ知りえないディープな情報や影響のある事柄に対しての予測など、業界紙の役割ってそこにあるんじゃないのかなあ。どうでしょうか。