仕事と晩飯とその他

日記です。

書店のマージンを確保せよ。

水曜日、組合会議。
木曜日、出版学会、日書連の報告会。

中小零細書店は中小零細出版社の小売のチャネルとして機能していないのではないか? 少なくとも弊社に関して言えば全く売れないわけではないが、多くの中小零細書店は弊社(ような中小零細出版社)の商品を細かく客注で(もしくは外商で)売るということに対してあまり関心を持っていないのではないか? マージンの問題が取りざたされるが、有利なマージンを設定したところでそんな細かい数の取り扱いをはたして書店はやりたがるのか? さらに言えばマージンの問題は消費者には全く無関係であり、書店が「マージンが高いから優先」する商品が消費者が望むのものであるという保証は何もない。むしろ現状の自費出版社が一部の書店からは歓迎されているように、消費者にとっての魅力ではなく書店にとっての魅力(マージン)のある商品だけが本屋に並ぶことになってしまわないか? そして書店はますます消費者にとっての魅力を失うことにならないのか?

買切でマージンを下げろ、と言われても、マージンの問題を考えるのであれば返品率ではなく廃棄率(それと返品→改装→再出荷に関わるコスト)を考えるべきだが、廃棄率が低い出版社は現行のマージンでもギリギリの商売であり、マージンを確保するための原資は原則的にない。ただ、それはあくまで現状を前提としての話であり、従来とは違う方法論を取り入れることで書店マージンの設定は可能になるかもしれない。一つ考えられるのは書店だけでなく出版社にもマージンミックスの必要があるということ。書店向けのマージンを確保するためには別の場所で稼ぐ必要がある。直販はどうか? 書店のマージンの原資を確保するために直販に力を入れる。矛盾しているように聞こえるかもしれないが、一つの方向性ではあると思う。もちろん、値上げによって小売のマージンを消費者に転嫁するという選択肢もあるが、単純な値上げは古書市場との価格差を生み出し、結果的に古書市場の活況を招くだけで終わる危険性もある。

リメインダーなど「(従来は)廃棄(されていた)商品の活用によるマージンの確保」だが、そもそも廃棄率が低い出版社にはメリットはないし、売れない商品を市場に再投入することによって生きている商品の販売を阻害するより、最初から廃棄されない商品作りもしくは廃棄を減らす販売や流通を考えるのが筋だと思うのだが。