仕事と晩飯とその他

日記です。

書店のマージンを確保せよ。その2

下のエントリから続いています。

今後、書店だけでなく取次からもマージンについては要求が発生するはず。そのための前提として、いくつかの方向を考えている。

1.コストの見直し(製造原価・販管費・流通等々、金のかかっているところは全部)
2.マージン・ミックスの模索(とりあえず直販、書店以外のチャンネルの確保 マーケティングの4Pの内の場所(Place))
3.価格設定の再考(安易な低価格化ではなく、商品価値を付加したうえで、顧客に納得してもらえる価格をどこに設定するか? マーケティングの4Pの内の価格(Price)と製品(Product))
4.広告宣伝の方向(より消費者向けに告知宣伝を行うことで、書店が「置かざるを得ない」「どうしても売りたい」状態を生み出すぐらいまで、が目標となるが…… マーケティングの4Pの内の宣伝(Publicity))
5.物流の円滑化(書店が売りたくなった時に商品の流れを阻害しない物流の確保 マーケティングの4Pの内の場所(Place))
6.収入の多角化(とりあえず版権輸出(サボってるけど)、著作物の二次利用(儲からんけど)、広告収入(難しいけど)など、書籍の販売以外の収入の確保))

「マス・セールスをめざすのであれば中小零細書店が「売りたい」と思うような商品でなければ最初から勝負にならない」ような気もするが、実際には顧客は広い範囲に点在しているのが現状であり、書店という「点」に集中しているとは言えないのも事実ではないだろうか? 最近聞いた例で、ビジネス雑誌がCVSで売れている、というのが気になった。従来の本屋からは離れてしまった、または従来の零細書店には足を運ばなかった層がCVSでビジネス雑誌を買っているらしい。

今回の報告では話題に上らなかったが、中小零細書店の商売を考えるにはオンライン書店新古書店だけでなくCVSの話題が不可欠だ。メインの商材でぶつかっているのだから当然と言えば当然。でも、今回の集まりに、中小零細書店が一番接点を欲しているはずの雑誌版元がどれぐらい来ていたのか。それが、問題の全てを端的に象徴しているのではないかと思えてならない。

そのうえで、「書店も出版社も間違いなく減るな」というのが正直な感想。マージンとシステム投資の原資を確保できない出版社が姿を消すというだけでなく、書店と取次がはっきりと「出版社が多い」と思っている以上、流れは必然。生き残り策は協業化。