「喉に鳩の骨の刺さった男」
禁酒宣言の翌日、昔の上司から大事な話で連絡が。良かった。本当にありがとうございます。祝杯ということでビールコップ一杯。禁酒宣言、翌日にして敗れたり。その場で偶然居合わせた某取次の役員と名刺交換。いや、6月の件でお伺いしようと思っていました。ボコノン教で言うところのヴィンディットを感じる。
金曜、早速昨夜の縁を活用。火曜日に書類を渡しに行きます。業界紙。来客。昼過ぎ、昨夜の件の総まとめ。ウチを辞めてもらうアルバイトの受け入れ先が決まった。
金曜夜、INC。二次会の会場で「禁酒宣言? まあそれはそれで」とか浮かれてビールを飲みながら鳩を食ったら噛み砕けなかった骨の欠片が喉に。痛い、というより喉が刺激されて吐き気が。階下のトイレへダッシュ。咳き込んだら鮮血が。「バチ当たった」。情けなさと痛みと吐き気で涙が。席に戻ってからはなるべく食い物を丸呑みしてなんとかしようと試みる。少し、引っ込んだ、というか押し込まれただけか。
吐き気と戦いながら帰宅。いや、いっそ吐いてしまえば、逆流させてしまえば骨の欠片も出てくるのでは、とも思うが出てこなかった時の悲惨を考えるとダメだ。
家に着いたら妻に顔色が悪いと指摘され、「鳩の骨が……」と伝えるとバカ受け。炊き込みご飯を丸呑みしたら異物感はあるもののなんとか吐き気は治まった。
土曜、近所の病院へ。鳩とは言わずに「鶏の骨」と伝える。「骨は高いですよ」。1万円ぐらいかかることもあるらしい。かなりの高齢の医者なのだが手際が非常によろしい。しかし、オレは胃カメラを飲むのに大変な苦労をする男。最初に麻酔無しで喉をちょっと押されただけで激しい吐き気が。消毒される間も目が飛び出そうなぐらい嗚咽する。一回目の麻酔は全く意味を為さず。「これは何という名前の拷問ですか?」という気持ちになるぐらい苦しい。二回目の麻酔が効くのを待っている間に子供が診察を受けていたが、泣き叫んでも爺さんモノともせずあっと言う間に。次の突発性難聴の診断も早い。オレの喉の奥もようやく確認。撮影された映像も見せてもらうが「見つからないねえ」とのこと。喉の異物感は消えていないが、カルテには「見つからず」と書かれて終了。2680円。
家に帰って病院の様子を妻に伝えたら小躍りして喜んでいた。「喉に鳩の骨の刺さった男ってネイティブアメリカンの名前みたいだよね」とか言ったらさらに喜んでいた。