仕事と晩飯とその他

日記です。

紀伊國屋Best300からボンヤリと見える昨年の傾向。

先日の日記で書いた紀伊國屋書店Best300から見えること、社内のミーティングでまとめたことを順不同で箇条書きに。

1. Best300全体の販売金額は昨年より4.66%増加
 →業界全体の販売金額は、日販発表によると-2.1%。この数字だけで見ると、出版社の寡占化の傾向があるように思える。

2. 上と同様に書籍・雑誌それぞれの昨年からの上昇(!)率は4.5%・6.39%
 →やはり日販発表の数字によると業界全体では書籍雑誌とも昨年より減っているはず。大手出版社は文庫や新書(ともに書籍に分類)、コミック(ほとんどが雑誌に分類)を持っているから、という気もするが。

3. 上位10社は昨年と変わらず。
 →しかも、昨年と比べて総売上を落としたのは2社のみ。書籍・雑誌の部門別で苦戦した社はあるが、総合では伸ばしている。分かる範囲での決算報告などによると社としての総合売上は落ちているところもあったはずで、営業努力が紀伊國屋のチェーンに対して集中的(効率的?)に注がれていることを示しているようだ。

4.書籍/総合の売上比率は、2005年が91.29%、2004年は91.43%
 →この数字だけで年度毎の傾向は読めないと思うが、紀伊國屋書店チェーンが書籍中心の店舗作りを指向しているということは読める。実際、先日の文教堂の新年会で発表になった雑誌の売上金額を見ると上位にあるはずの出版社が紀伊國屋ではそれよりだいぶ下のランクに甘んじている場合がある。紀伊國屋書店文教堂書店の比較も面白そうだがまだやっていない。

5. 2年間ともランクインした社は283社。
 →そのうち185社(約2/3)が売上増、98社は売上減。
 →売上減の社は例外なく書籍の売上を落としている。生き残りについて特に傾向はみられないように思うが、このあたりはランキングの範囲をもう少し広げてみないと判らない気がする。

6. 新たにランクインしたのは17社。
 →Best300から外れた社は16社(一社は合併のため)。外れた16社の傾向は「書籍」「老舗」「専門書」。ランクインした17社の傾向はまとめにくいが、キーワードとして「DVD」「ヒット企画」「新興」。

7. 2005年の300位の総合売上は2004年の300位の総合売上より9.3%増
 →これも寡占化を表している気がする。