仕事と晩飯とその他

日記です。

最近の話題から(その1)

1●『なか見!検索

結論から言うとこれは本屋での立ち読みを超えるものではないと思われます。中味を見なくても買うヒトがいるのと同様、中味を見ても買わないヒトはいます。検索で表示されるページの情報だけで「充分」と判断される方はリアル書店でも「立ち読みで充分」と考えているはずだと思いますが、どうでしょうか。

リアル書店での立ち読み客によるメモ書きなどの行為は常に問題になっていますが、最近ではカメラ付き携帯での撮影も話題になりました。それは極端な話としても、情報誌などは書店の店頭で立ち読みして済ます、というのは以前からあったことのように思います。

実際には、実用書、特に手紙の書き方のようなものは自分が使いたい例が載っていれば買う、という類のモノです。リアル書店でも全く同様です。だからこそ、実用書は書店に置いてあることがより重要なんですが。

アマゾンに限らずオンライン書店の情報はうまく引き出せば宝の山なのではないかと考えています。「この本を買ったお客様はこんな本も買っています」といった情報は自分の店だけでは調べきれないのではないでしょうか。ある意味、有効なマーケティング情報を無償で提供してくれているわけです。実用書に限らず、売れ筋の商品を中心に品揃えの見直しを図る際には使えるのではないかと考えています。

2●アマゾンのページばら売り(電子書籍化)

これに最も向いているのは「大学の教科書」です。アメリカでのオンデマンドパブリッシングの実態について伺うと、うまくいっているのは大学の出版局による教科書のページ売り、だそうです。

小説をページ売りすることにはさほど意味はないと思います。実用書のページ売りはあり得る気もしますが、そんな面倒なことをしなくても既にネット上には無料の実用的な情報が溢れています。希望的な観測も含まれていますが、教科書以外の需要はさほどないのではないかと考えています。

余談ですが、ISBNコードの桁数が増えるのはこの「ページばら売り」と関連していると考えています。ページ(もしくは章など)にISBNを付与し、販売できるようにしようということでしょう。

これで困るのは大学のそばで営業していた古本屋、ではないかと思います。教科書を買わずに済まそうという層は従来古本屋やコピーショップに流れていたわけですが、それがこの新しい仕組みに乗ると思われます。