反省と補足
学生とかいい若いもんに「パソコン使えてすごいですねぇ」とか言われると「オレは使えてなんかいねぇ」という殺伐とした気分であったり「今使えるように見えてもこんなもんはあと数年もしたら全部チャラになっちゃうかも知れんと常に思ってんのじゃ」などとある種の無常を感じたりするわけです。
パソコン使えるなんて刹那的なもんだ。だから、こんなもんに振り回されるよりもっとやるべきことがあるだろう、と、そろそろいい歳になりつつある自分は自分に対してなんだか無性に腹が立つわけです。
会社のネットワークがどうしたとか、なぜだか日本語変換がうまくいかんだとか、作ったクエリーでうまくデータが抽出できんとか、文章の右側がきちんと揃わないとか、そんなことはもうなんだかうんざりなんですよ。
まあ、言い過ぎた面はあると思うので反省はしています。でも、パソコンって本当に不便だ。パソコンのせいで仕事ができなくなっている側面ってのを最近の自分は感じるんです。多分、自分のやりたいことなり立場なりが変わってきたせいもあるとは思いますが。
なんかねえ……、どうなんでしょう。
自動車の教習では「エンジンの仕組み」って講義はなくなったんですよ。つまりエンジンが4ストロークか2ストロークかなんてことは知らなくても運転はできると。トランスミッションがどうしたとかそんなのもないわけです。冷蔵庫の仕組みもテレビの仕組みも学校では教えない。もちろん、技術者は知ってますよ。でも、わからなくても使える。
オーディオはマニアが成立するけど、白物家電は自分で組み立てるマニアはいないと思うんですよ。PCがオーディオ的なものになるのか白物家電的なものになるのか、ここ数年が分かれ目のように思うのです。
そして自分は白物家電のほうになって欲しいと本当に願っています。
パソコンで計算をする、ってことは一般の使い方ではほとんどなくなってきているように思います。正直に言うと子供の頃抱いていた「電子計算機」に対する憧れからすると一抹の淋しさもあります。
パソコンは従来の延長ではない新しい何かになりつつあるように思います。オレには理解できないかもしれない。でも、それはそれでよいのではないでしょうか。
「パソコンを使いこなす」って言葉の意味がもうすぐ変わるのだと、そう思っています。別にバラ色の未来だとも思っていませんが。