仕事と晩飯とその他

日記です。

メモ5

買い上げやアマゾンへの書き込みが無意味な点について。

ランクを上げるために買い上げを行うのは媒体広告などと比べると割安で短期的な効果が期待できるが、それがトリガーとなって実際の売上が上がればよいが、みせかけの売上につられて発注だけが笛、結果的に返品になって帰ってくることはありがち。商品の評価を市場の判断に任せるためには買い上げは手法として不毛であると考える。やりたくなる気持ちはとても良くわかるが。

同様に、アマゾンなどのオンライン書店への読者レビューへのヤラセ書き込みも、それを読んで購入した読者の失望をあおってしまうようでは意味が無い。メモ4での「この出版社の本は信頼できない」につながりかねない。「みんなで一斉に買ってアマゾンのランクを上げよう」も、それがきっかけとなるのなら良いのだが、やりすぎると見透かされる。

市場の判断を把握するためにデータが必須。月次→日次→リアルタイムという流れは、だからある意味必然と言える。

月に100冊実売があがっている本があったとして、それを営業何人で受注しているのか? それぞれの担当店舗での売れ数はいくらか? 注文数はいくらか? 営業が取っていない書店からの電柱やFAXなどでの注文数はどの程度のものか? 営業が一人の会社なら100冊の重みはすぐにわかるが、5人の会社ではどうか? 十人の会社ではどうか? さらに、他の本の売れ方との比較も重要。

実売で月に100冊安定して売れる単行本であれば、増刷を続けていくことは充分可能。だが、書店営業だけの視点でその可能性に気がつくかどうかは別。個店単品だけでなく在庫も含めた全体の把握も重要だが、書店営業だけやっていると「自分の回っている書店の棚」が全てになりがち。視点を変えられるか?

データは過去の結果、ではあるが、読者の今、も表している。データの向こうには本を買って読む「読者」がいるという視点・考え方。読者の姿を捕まえるための資料としてみると見方は変わる(編集も営業も)。

読者の想像を超えるものを提示した時の動きは面白そう。なかなかできないことだが。

「待望の本」はほとんどない。誰かが待っている新刊は稀有。