仕事と晩飯とその他

日記です。

キホンの「ン」

エンタティンメントって言葉はあまりにも大雑把な気がする。『蟹工船』をエンタティンメントとして受け取る人もいれば思想的な意味合いを読み取る人もいる。ハクスレーとかオーウェルだってエンタティンメントなのか啓発の書なのか。はたまた、自己啓発書として読まれているセミナー系の本は粗悪なエンターティンメントに過ぎないのではないか、とか。出版はエンターティンメントなのかと言われると違う気はする。ただ、誰かのウンコ(作品)をお金に換えるという商売であることは事実だと思う。尊敬されないかもしれないが、そういう商売だからそれはそれでしょうがない。少なくともウンコをひり出した当人から金をむしりとる(自費出版のことを言っています)よりはましだろう。というかアレはアレで良いのかもしれないが、多分別の商売だと思う。

アートを理解するのには実は基本が必要なのと同様に、本を読むのにも基本はある。本を読むことがどうこうではなく、よっぽど特別なことを除けば人を踊らせる側には基本がある。「気持ち良ければ(面白ければ)いいよね」的な発言が踊らされている側から出てくる時には悲哀しかない。

で、曲がりなりにも踊らせるほうの側の端っこの席に不安げに腰掛けている立場の人間にとって基本を理解していないことは死活問題だったりする。あくまで他人のウンコを金にする以上、知っておかなければいけないことはうんざりするほどある。

の割りに出版業界、キホンを知らん人が多いような気がする。中小企業ばかりだからかも知れないが、アートを売る側の立場の人間が自分がアーティストであると勘違いしてしまっていたりする例も多い。編集者は著者ではない。中間業者であることわきまえられないのならどうぞ自分でお書き下さい。

うーん、なんだかやはりまとまらないが、キホンを共有した上で勝負しようぜ、っていうかなんていうかそういう気持ちなんですよ、自分は。

どうなのかな、もしかしたら一番何も分かっていないのはオレなのかもしれない。