仕事と晩飯とその他

日記です。

客商売。

そうそう、だから出版社も本屋と同様に客商売だから、言葉一つ取ってみても「客相手」ってのが重要だと思うんですよ。「オレの作った本が」とか言うのは殿様商売なわけでそんなのは客商売じゃない。多分、オレの基本ってそこ、つまりは「何でもかんでも客商売」ってとこに尽きるのかも。で、本屋はオレにとっては客ではなく協業者、端的に言うと同士なわけですよ。広告代理店もそう。印刷会社もそう。もちろん取次もそう。わがままで気ままな「客」という存在に立ち向かうためには結託しなきゃいかんのよ。で、出版社が客商売だってことがぴんと来ないヒトはマーケティングとかを軽視する割りに権威に弱かったりすんのね。ただ、まったく逆にマーケがちがちの「顧客至上主義」みたいなのも違うと思うのよ。ていうか、それってスローガン、もしくは「建前」でしかないからね。顧客の言う事なら何でも聞くのか? タダでくれって言われたらタダで配んのか? 客商売ってのは客相手にモノ(またはサービスとか)売ってナンボなんだと思うんだ。で、その「売るモノ」に関して言えば、内容のことはもちろんとして、物流や販促やらバックヤードの見えない全てが「客商売」を指向せざるを得ないのだと思っているんだが、オレが間違ってんだろうか?「オレの作った本を(営業が・取次が・本屋が)売ってくれない」なんて論外だな。まして「買わない読者が悪い」とか。愚痴を言ってもその愚痴が風に吹き消されて跡形も残らないような、その程度の志であったってことだ。客って正直だ。正直だから怖いし、だから結託して立ち向かうんだ。

などと思うが。まあ前提として「出版は客商売だ」ってことが理解できないヒトには全く納得してもらえんだろうなあ。

でも、じゃあ、出版って何? 文化事業なら補助金貰ってやればいいじゃん。オレの言ってることおかしいのかなあ。おかしいんだろうなあ、きっと。