仕事と晩飯とその他

日記です。

商機あり。

昨夜の事業説明会で土井さんが「情報化社会の発展によって消費者は本物の情報に触れることができるようになった。だから必然的に本物を置けない(扱えない)中小零細商店は衰退し、本物を置ける(扱える)大型店やオンラインショップが発展していくのだ」との旨、説明していた。

で、その話を聞いて自分は全く別の感想を持った。

「情報化社会の発展によって消費者は本物の情報に触れることができるようになった。」というところまでは同じ。で、次は、「だから、消費者にとって重要なのは今まで以上に「本物が買える」かどうかであり、場所的な要素の重要性は以前と比べて衰退している。地場の店舗の衰退も百貨店の衰退もオンラインショップの隆盛も実は同根であり、お買い物が特別な行事(おでかけ)ではなくなったことがその原因の一つである。
ブランドは以前、モノではなく場所に拠っていた。今でもその要素はあるが、本物に触れ始めた消費者は場所ではなく、モノを選び始めている。
そしてもっとも重要なのは、正確な情報を基に本物を扱えうことができるかどうか、なのだ。中小零細であっても本物を扱うことによって競争力を高めることは可能なのだ。」

ここでは幾つかの問題が渾然と扱われている。店舗の役割には、1.媒体として(本物の情報を提供する場)、2.ショウルームとして(本物を体感できる場)、3.ショップとして(本物を購入する場)、という三つの要素がある。オンラインショップは1→3という流れを作ることを目指しているが、実際には3はリアル店舗で、ということも多い。また、昨今言われる「中小零細は個性化を」という話は、要は「専門性を高めた媒体として成立することによって消費者に新たな情報を提示できる(はず)」ということだと思っているが、店舗に至る前に情報を入手してる消費者に対してどう振舞うべきなのかは提案されていないように思う。

本屋は因果な商売で、店員より読者のほうが詳しい、というのが前提となっている。中途半端な提案は空しい。

むしろ、最後の店(購入する場、上述の3)として成立するためには、モノがある(という期待)に応えられる品揃えが重要なのではないか。

逆に言えば、最初の店(上述の2)であり、最後の店であることを目指せば、中小零細は成立する。重要なのはモノを揃えることなのだ。

で、そのためには版元の協力が不可欠なのだが(この項、多分、続く)