仕事と晩飯とその他

日記です。

もしも自社でこうしたことが起こったら。

なんかアクセス増えてんな、と思ったら某所からリンクが。そうですか。

デジタル万引の件について思うのは、「もし自社の出版物だったら」ということ。残念ながら「自信を持って回収します」とは言い切れない。回収というのはかなりオオゴトで、市中在庫を全てゴミにしてしまう覚悟と理由がないと踏み切れない。実際、以前いた会社では付録のCD-ROMの中身を忘れたにもかかわらず回収せず、ということもあった。営業担当者の判断だけではなく、社としての判断が求められる行動なのだ。
もし自社で同じことが起こったとしても、社内は大揺れだと思う。というより「法律や契約に違反していないなら回収する必要はない」という判断もありうる。「回収」であったり「謝罪」であったりという意思を統一するためには「モラル」の問題だけでは駄目で、社として取り組むためのより強力な必然性が必要だ。
今回の件に関して言えば、「必然性を感じるぐらいの大騒ぎ」になって初めて出版社としても引っ込みが付くわけで、そうでなければ曖昧な決着で終わってしまう可能性もある。

「雑誌なんて買わずにメモってしまえ」という発言は、実は「終わりの始まり」のように思えて仕方がない。小売としての書店や値段をつけられた商品としての雑誌は、もはや必要とされていない、という気分が本を作る側の著者や編集者にすらあった、ということなのだろう。

とにかく、関係者は揺れていると思う。「回収や謝罪などする必要はない」と判断した人間がいるのかいないのかはわからないが、きっかけさえあれば方針は変更可能だ、と思う。で、そのためのきっかけは何かと言うと、書店からの直接的なアクションが一番効果的なのだと思う。というか出版社にはこたえる。

他人の出版社の事をあまりとやかく言うつもりはないが、早くラクになりたい(謝ってしまいたい)と思っている人間は必ずいるはずだと思う。そして謝ることでいろんなことが是正されそうな気もする。

だから、今はうも少しこの話題を引っ張らないといけない。曖昧に決着してもしこりが残るだけだ。

しかし、「出版物を売って対価を得る」という出版業の根幹に関わるような話だと思うんだけど、みんな気にならんのかなあ。少なくともオレの会社の本が書店でメモされてたり撮影されてたりしたら頭にくるけどねえ。メシのタネなんだから。