仕事と晩飯とその他

日記です。

東のKさんも西のKさんも

一昔前、コンピュータ書籍の販売には伝説のツワモノたちがいた。中でも「東のK、西のK」と呼ばれた二人は、「理工書」の一部でしかなかったコンピュータ書のジャンルを立ち上げ、棚の中の商品配置だけでなく店内の商品構成すら変え、しまいには限りなく専門店と言える店を立ち上げるまでに至った。他の店の人間やコンピュータ書籍の版元営業も良く見学に行き、彼らと情報を交換した。直接的ではないかもしれないが、行く度に色んな刺激を受けた人間は多かった。オレもその一人だった。
「西のK」は、地元からだけでなく業界紙からも万引き問題などについていわれのない非難まであがった立地に出された戦略的な店舗に、巨大なコンピュータ書の棚を築き上げた。因果関係は特にはないと思うが、彼が辞めた直後、そのチェーンは倒産した。
「西のK」とはその後も何度か会った。最後に連絡を取り合ったのは、彼が長年付き合い続けたにも関わらず最後を看取る事のなかったチェーンの同僚たちの勤め先を探してくれとの電話だった。
紹介してもらった二人には、結局、今の会社の仕事を一部お願いしている。非常に助かっている。
「西のK」本人については、コンピュータ書の大手SE社の関西営業を取り仕切ることになる、と本人から聞いた。その後、実際にそうなったのは聞いたが、タイミングが合わず、会えていない。
「東のK」は、そのチェーンとしては思い切った立地の大型店開店に際し、専門フロアを展開すべく移動した。開店前の商品手配では随分色々と声をかけてもらったが、担当地域ではなかったのでお店にはいけずじまいだった。苦戦していると聞いた。その後、自分はコンピュータ書を離れてしまい、疎遠になった。お店に行けば良いのだろうが、どうもタイミングを外してしまい、そのままになっていた。
金曜日、大学生協事業連合の会合の名簿を見ていたら「東のK」の名前が。しかも「西のK」と同じSE社。

やるな、SE社。

名刺をもらった。仕事がらみで懐かしさを感じるのはもうジジイの始まりなのかも知れないと思いつつ、やはり、どうしても懐かしさが止まらなかった。

やっぱりこの仕事、嫌いじゃないかもしれない。