仕事と晩飯とその他

日記です。

書店の商圏2

「駅前立地で、かつ、駐車場(ある程度の規模)も確保してあり、専門書もそこそこキチンと扱っている」という店舗の登場はあらかじめ予測されたことではあったが、クルマを利用する客にも駅を利用する客にも対応できるというメリットは大きかった。書楽は現在では非常に重要な店舗になっているが、立ち上げ当初は書店としてのノウハウが圧倒的に不足しており、販売面においての注目度はけして高くはなかった。この形態の店舗の商圏はリアル店舗としては非常に広いと思われるが、専門書を扱う書店としての集客について言えば、書楽はけして強くない。その後現れた三省堂書店ジェイアール名古屋高島屋店はクルマだけでなく電車・新幹線の客までを取り込む空前の商圏を誇っているが、大型書店(専門書が充実)+駐車場+駅という形態としてはブックデポと同様のものであると考えられる。オンライン書店専門書店(通販を行っている場合も多い)を除けば、現時点ではこの形態が最大の商圏を確保している。

この間、駅立地でもさらに乗換駅の構内という特殊な環境(従来の駅立地は改札の外)に立地するディラ上野なども登場したが、これは「商圏」というよりは通行客数の多さが特徴になっていると思われる。

クルマ・電車、などは書店の商圏拡大に寄与するが、バスは意外と影響が小さいと聞いている。

自転車については以前から気になっている。クルマが使えない(免許が取れない)年齢の層や日中の主婦・通勤の会社員など、自転車利用者は多い。例えば名古屋の栄地区あたりでも歩道に停めてる自転車の量は多い。場所が飛ぶが中央線沿線(吉祥寺など)でも百貨店の周辺に無数の自転車が停められている。しかも徒歩に比べると移動範囲は大きい。にも関わらず、立地を問わず駐輪場に力を入れている書店(小売店も)が少ないように思う。中途半端な駐車スペース(5・6台程度)を確保している書店も見かけるが、夕方などに見てみると駐輪スペースから自転車があふれているにもかかわらず。クルマはあまりとまっていない例も多い。身近な商圏拡大の可能性として駐輪場の整備は今後重要になってくるはずだ。

どんなに巨大な商圏を確保できたところで、書店としての魅力がないお店はお客を再び呼び寄せることが出来ない。商圏を維持するためにも書店としてのノウハウが求められている。お客を獲得しているお店は何らかの魅力を持っている。などと無難にまとめてみる。