仕事と晩飯とその他

日記です。

大上段でもいいかなとも思う。

「本」をナレッジマネジメントシステムであるとするとそれを維持するための行為(コミュニティの形成も含めて)は学術・文化的な捉え方が主となり、エンタティンメントであるとすると商業的な捉え方が主となる。

文化を維持するためであれば国などの補助も有り得る(学術関係の出版活動については既に実例あり)が、商業活動であれば当然売り手の側、つまり読者を除き著者を含む側がその維持・改善の努力をするべきだ(この場合著者もある種の商材であると考えると別に考えるべき)。

実際には「本」は両方の側面を持っており、版元もその両方の側面を持っている。講談社のキャッチフレーズ「面白くって、ためになる」は、ある意味私の期待している「本」そのものを表している。つい最近であれば小学館のTVCF(ケーブルテレビでしかやってないかも知れない)で「一番面白い遊びは勉強だ」というのがあった。これも読書の、特に子供の読書の要素を的確に表している。

が、そのバランス(文化活動なのか商行為なのか)が、当事者であるはずの側で曖昧になりつつある。文化活動を標榜してきた出版社が急に「売れる本」と言い出し、商業主義の一つの極みである自費出版系の出版社が「文化」を主張したりする。結果的に読者は混乱し、文化の担い手としての「本」というシステムへの信頼を失ってしまっているのではないか。

その動きと平行して、本来は版元・取次・書店が独占的に行なってきた「本」の生産・流通について著者や読者が直接的に関わる(ネットやコミケ、読者=売り手である古本市場自費出版など)ことが普通に行われ、出版の商行為としての側面にも大きな影響が出てきている。(デフレの影響である100円本は別に考えるべき)

既成のシステムを守る、という意味ではなく、新しい「本」のシステムがどうなるのか。自分にはまだ分からないが、知りたいと思っている。自分がどういう形でそこに関わっていけるのか知りたい。

そう思っている人間は自分一人ではない。が、残念なことに、さほど多くもない。

色々と考えたりやったりしても自分の能力ではすぐに限界も感じる。もう少し、仲間が欲しい気がする。