仕事と晩飯とその他

日記です。

100円ショップの本

おたくの本と同じような企画出すつもりなんだが、ついてはおたくの本の公称部数を教えてくれまいか」という電話がかかってきたので、色々と聞いてみたら100円本の編集をしているプロダクションからだった。

「公称部数」は通常雑誌の発行部数の事を言うもので書籍の場合はあまり聞かない。印税の関係で裁判沙汰になったこともあるそうなので、出版社としても書籍の場合、通常はけっこう正直な数を言うもんだが、こういう場合はどう考えれば良いのだろうか。相手は市場を破壊しかねない商品なわけで、それについてこちらが正確な情報を与える義理も義務もないのではないだろうか。

と、思いつつ、聞いてみた。
「あのー、100円本の印刷部数の参考にされるんですか?」
「そうです。どこに聞けばよいのかわからなくて困ってるんです。」

ライバルになるかもしれない相手ではあるが、その企画はちょっとマイナーなものなので売価100円では実現困難だと思うし、あまり売れてないですよ、と正直に伝えた。

が、相手は「で、部数は何部ですか?」と結構しつこい。しかもいったん切れたと思ったらすぐまたかかってきて「○○の本について部数を聞き忘れていました。何部ですか?」とか聞かれた。

と、ここまで書いていて気がついたが、かなりマイナーな企画だし実現困難だと思っていたが、数年前に倒産した某社の版権をシリーズごと買い取っているとしたら可能だ。そういえば著者も簡単にOKしそうな人だ。

なんかちょっと不安になってきた。年内に刊行予定って言ってたし多分そうだ。あのシリーズ、評判最悪だったけど100円だったら売れるかもしれない。

ああ、憂鬱だ。