仕事と晩飯とその他

日記です。

死の商人

出版社の営業になる以前は本屋(複数)でアルバイトをしていたんですが、ある作家なり著名人なりが死んだと聞くと反射的に書籍総目録を繰っていました。新刊書とか文庫は担当したことがないので直接注文を出すことはありませんでしたが、「追悼フェア」みたいな企画はけっこう売れます(私がバイトをしていたお店は立地や規模のこともあって客数が多かったので効果があったのだろうと思います)。逆に、追悼フェアなのにさっぱり売れなかったりすると亡くなった著者に気の毒な気もしますが。

追悼フェアで困るのはやはり「品切」「絶版」などの理由で商品が揃わないことでしょうか。松本清張氏の時は各社とも慌てて重版してました。でも、慌てて重版しても売れないと亡くなった著者の方にも出版社にも気の毒です。よく考えて重版すべきでしょう。

最近だと鈴木その子先生が亡くなった時など、昨今低迷している実用書や新書の担当者は「神風」だと思ったんでしょうか。実際売れたかどうだかは知りませんが。

あと、企業倒産なんかも世間の耳目を集める、という意味ではフェア企画が可能です。拓銀や山一なんかは関連書籍も多かったように思います。ただ、思ったほどは売れないようです。

企業倒産といえば出版社も規模は中小零細でなおかつほとんどは同族経営(限りなく個人商店)ではありますが、一応企業ですので潰れることもあります。中には何回も潰れては復活を繰り返しているツワモノもいます。通常、出版社が潰れると取次から連絡があり、店頭の商品を返品してくれと言われます(清算が進んで返せなくなってしまうと「不良在庫」を抱えてしまう可能性があるので返せるうちに返してしまうため)。が、中には返さない本屋もあります。返さないどころか八方手を尽くしてその出版社の本を集めたりする。私もやったことがあります。もちろん、集めた分も売り切る自信があるからです。

というわけで京都の<A href=http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sangatu/>三月書房</A>さんの<A href=http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sangatu/tubureta/tubureta.htm#最近つぶれた出版社の本>このページ</A>、爽快というか、とても痛快なページです。自分の勤務先が潰れたらそんなことは言えないのは百も承知ですが。

新出版VANの説明会、12月にやるらしい(ただし、現在のVAN加盟社に対してのみ)。ケチ。