仕事と晩飯とその他

日記です。

普通の日

昨日は夕方から外で会議に参加していた。向かう途中でPHSを会社の机の上に置き忘れてしまったことに気がついたのだが、早めに終わったら取りに帰ろうということでそのままにしてしまった。そう、その時点では早めに終わるつもりだったのだ。しかし、会議はいつものようにちょっとずつ伸びていく。17時半を過ぎた時点でPHSを取りに会社に寄るのは諦めた。まっすぐ帰ればまだ大丈夫、そう自分に言い聞かせながら会議は続く。結局、終わったのは6時15分ぐらい。早足で駅に向かう。6時半にはホームで電車を待っていた。
もう既に何度も電話してるんじゃないか、通じないことに腹を立てているのではないか、そんなことばかり考えていると家に帰るのが嫌になってくる。いや、そもそも会議さえなければ、そうじゃないか、会社にPHSを忘れなければよかったのだ。
駅から家までは自転車だ。早く帰らねばと思うとペダルを踏む足に力が入る。帰りたくないと思うと力が抜ける。しかも、タイミングが悪いことに自転車のライトの電池が切れた。鞄の中に交換の電池があったはずだ。信号待ちの間に探す。あった。取り替えた。よし、光った。家に着いたのは7時ちょっと過ぎ。怒られるのを覚悟でドアを開けたら拍子抜けした。妻も子もいない。家の中は真っ暗だった。7時を過ぎてしまったので、いつものように晩御飯を作る時間に間に合わなかった俺に腹を立てながら隣のコンビニに買い物に行ったに違いない。そうだ、そうに決まっている。鞄を玄関に置いたまま、俺はコンビニに向かった。いない。途中ですれ違ったかも。家に帰る。いない。ちょっと頭が真っ白になりつつあった。何かあったのだろうか。そんなはずはないと思いつつ、そんなことを思う。
家の電話から妻のPHSに電話した。通じない。まだ着替えていなかった。スーツを脱いでジーンズとTシャツに着替える。Tシャツだけで充分だな、そのぐらいの気温だった。
家の電話が鳴った。妻は明るい声で子どもとカラオケに来てると言った。
「メール見なかったの?」
「ああ、今日、会社に忘れてきちゃってさ」
「あと一曲歌ったら帰るって。晩御飯どうする?」
二人の帰りを待ち晩御飯はコンビニの買い物で済ませた。ストレス発散できたようで、妻も子もいい表情だった。電話忘れたとか帰りがちょっと遅くなったとか晩御飯作らなくてごめんとか、そんなことで悩む必要はまったくなかった。そう、そんなことで悩む必要はまったくなかった。

普通の日。