仕事と晩飯とその他

日記です。

他社のアイテムとの比較

先日から余計なお世話で口出ししていた他社の本と、ここ最近にない出足の自社の新刊とを比べてみた。

なんというか、出版ってやっぱり企画だなあ。しみじみと思う。今まで売れてなかろうが、規模が小さかろうが、流通のことなんて知らなくたって、広告代理店と付き合いがなくたって、書店営業がいなくても、印刷会社に前倒しで頼めなくても、とにかく本を作る以外に出版社らしいことひとつもしなくても、企画一発で売れる本はあるんだという事実には本当に色んなことを考えさせられる。そういえば國岡さんの時もそうだったなあ。結局まったく書店営業せずにあれで4万だったかな。やっぱりそういうのにはちょっとかなわないな。

などと思いつつも改めて数字を見直して衝撃を受けた。んー、たまたま立ち上がりの数字だからということはその通りなのだが、自社本のほうが売れてる。いや、リアル店舗ではという意味。オンラインに関しては比べ物にならないぐらい先方が売れている。自社本はこの連休はほぼ在庫切れ。最初から勝負になってない。

改めて数字を見てすぐに気がついた。自社本のほうが置いている店が多い。というか、Pの店舗でほぼ倍。在庫数は先方のほうが多い。集中的に詰んでる店が何箇所かあるので。他の方法で店頭在庫を調べてみると、ウチのほうがやはり置いてあるお店は多い。

んー、これを見ると企画も大事だが「置いてあること」の力を感じる。というより、うちのような地味な売れ方の場合、やはり置いてあることが最重要課題か……。

どうも、そういう単純なことでもない。

いつもの新刊とほとんど同じところからスタートしているにも関わらず、今回の新刊は立ち上がりが非常によろしい。もう何年もこういう立ち上がりは無かった。去年今年とかなり売れているのはあるが、そのあたりもいつものように立ち上がりは大きな山にならず、やや低めでしぶとく売れ続けている。それとはだいぶ違う。

広告や紹介はこれからだが、今回はどうも久々に新刊案内のメールも効果があったようだ。昔はビビッドな反応が返ってきたメールだが、昨今は暖簾に腕押し。それが、今回は久々に効いた。

もちろん、今回はいつもの新刊と比べて著者で売れた要素は大きい。しかもいつもより広く長く効いているのを感じる。そのあたりはプラスの要素。

他にも今回はいつもとちょっと違うかな、という点はある。が、それらがうまく噛み合うにはやはり「置いてある」ことが重要なのだなあと痛感。

今回のみの特殊事情として、オンライン系で軒並み在庫切れというのはある。いつもは地味な立ち上がりなので切れることは滅多にない。まあ、でも、それでリアルに誘導される分がそんなに大きいとは思っていない。そもそも実数は把握しているわけで……。

まあ、なんだかんだ言ってもやはり小売の力は大きい。アレだけ話題になってる本と、短期的にではあってもいい勝負ができてるわけだ。それについてはやっぱり地味な物流とか販促とかその辺りの影響は否めない。

んー、グルグル回ってるが、そうは言っても企画は重要だなあ。ウチも今回はいつもより企画的にもヒットだし。なんだかんだでそういうのが無いとヒト伸びフタ伸びは難しい。いつもは本当に難しい中でなんとかかんとかやってるんだなあ。本当に本を売るのは難しい。

それにしても他社本、もっと置いてあればもっと売れるのは間違いないのに……。全然置けてない。けっこう大きなチェーンで丸ごと抜けてるところとかまだゴロゴロしてる。次の増刷という話があるのであれば、その際にはまた置いてるお店を増やさないと。まあ、大きなお世話だとは思うが。