仕事と晩飯とその他

日記です。

デフレの正体&出版大崩壊

横になっていても常に揺れてるような気がして目が覚めてしまう。地震酔いって奴だろうか。とにかく睡眠不足。

<a href="http://amzn.to/hZAZtV">『デフレの正体』</a>に続けて<a href="http://amzn.to/hHHous">『出版大崩壊 電子書籍の罠』</a>を読んだ。

<a href="http://amzn.to/hZAZtV">『デフレの正体』</a>は思わず膝を打つような一冊。現状がストンと腑に落ちる。自分自身はずっと出版業界における「供給過剰」の理由を考え続けその解消策に日々悩んでいるわけだが、需要減についてこれだけ丁寧に説明されるとなるほどなあと。小手先での対策ではなく読者対象そのものの変化を商品にどう反映させるか。うーむ、これはなかなか。で、この本は経済学者の方からは「経済学が分かっていない」と批判されることもあるようだけど、経済がよく分かっているはずの学者やエコノミストやアナリストやコンサルの言うことが現状と乖離してる上にさっぱり明確な答も出し切れないように思える現状、こういう誰でも分かりやすく、かつ、現状を非常に正確に表している本は貴重なのではないかと思った。新書はけっこう読んでるんだけどどれも「ふーん」みたいな感じの本が多いのだが、久々にヒトに薦めてもいいかなという感触。

<a href="http://amzn.to/hHHous">『出版大崩壊 電子書籍の罠』</a>も面白かった。出版のことを(編集者視点だけど)知り尽くしているといっても過言ではない著者による電子書籍失敗談。いやあ、正直、この編集者でもうまくいかないってことは紙の編集者に電子書籍は無理なんじゃないかなあ。アプリ化の方向性についても内容的な向き不向きは間違いなくある。やっぱり、これも以前から言ってることだけど、電子出版の担い手は従来の出版社からは現れない気がするんだよなあ。まあ、でもこの本のオレ的な白眉は著者の華麗な人間関係や子どもの教育環境、そして「ハワイが第二の故郷」と言い切れるだけの財力を賄ってきた大手出版社の給与体系か。零細出版社のオレにとってはまさにファンタジー。そして、まさにこういうバブル期の清算が今の業界に求められているのだということを(心の底から)実感した。地味にやろうぜ。