仕事と晩飯とその他

日記です。

本はまだまだ売れなくなる?

販売収入の減少は出版業界特有の「出版不況」、広告収入の減少はメディア及び広告業界を含めた「広告不況」であろうと考えております。もちろんリンクしている部分が無いとは思いませんが。

雑誌の不況は部数減の「出版不況」というより広告収入減の「(メディア全般の)広告不況」の影響が大きいと思うんですよ。ネットも含めて勝者のいない戦場。「広告不況」と「出版不況」の二本立てじゃキツイと思うなあ。

出版不況は雑誌が先行しただけで書籍はこれからまだ落ちます。雑誌もまだ落ちるはず。理由のひとつは、まだ(国内の)出版業界の規模が適正な規模より大きいのではないかということ、もうひとつは安価にテキストベースの情報を提供する媒体の拡大(ex.ネット・電子書籍・フリーペーパー・古本・レンタル等)。 もうひとつは売りたい本と買いたい本のずれ。読者は本当に追い立てられるように新刊を買いたいと思っているのでしょうか。

電子出版が追い討ちをかける可能性もあるだろうなあ。たまらんな。

電子出版で一番厄介なのは紙の本では実現できない低価格。既にiPhoneのアプリの値段はキツイ。いくら在庫がないとは言っても従業員を抱えてこれは維持できないですよ。紙の出版を維持できない出版社は縮小・解体へと向かうのか、それともWeb媒体をめざすのか。

電子書籍だけ、ネットだけ、レンタルだけ、古本だけ、等々個別の存在にはあまり脅威は感じませんが、本の値段が実質的に多様化してしまうことで定価の本が売れなくなることをもっとも危惧しております。

電子書籍の値段については電子辞書のコンテンツの値段のことが頭をかすめて2割引程度では済まないのではないかという余計な心配ばかりしております。

自分は残念ながら定価販売を前提とした考えから抜け出せていないわけですが、読者から見た現実は既に一物一価ではなくなっているように思います。小売も含めたリメインダーの市場には可能性を感じますが現時点では慎重な意見に従っています。