仕事と晩飯とその他

日記です。

連載:出版不況の原因は何か(第7回)

(いちおうこのペースで14回もしくは15回まで続く予定です。)

 本日は「本との出会い方の多様化」についてもう少し考えてみます。

1.コンビニで買う
 雑誌を一番売るチェーンはセブンイレブンだったりするわけです。本屋から足が遠のくわけです。店舗数が多く鮮度が要求されるコンビニの棚に合わせるために刊行点数も増大します。返品も少なくないですよCVS(今は少し落ち着いたかな)。そりゃそうですよ、鮮度が重要だし元々は客寄せ的な意味合いもあったわけだから。書店にプラスしてCVSの雑誌棚が広がったわけで、その棚も埋めなくちゃいけないわけですよ。しかも書店で売るより低価格の商品を。ムックの大量刊行なんかはこのあたりとの因果関係、間違いなくあります。雑誌の話題中心なんで書籍の話題からは抜け落ちることも多いですが、CVSのシステムが従来の雑誌流通に与えた影響や低価格化の問題も含めて考えると小さな問題ではありません。

2.新古書店で買う
 発売から数日で新刊が安価に売られているわけです。すぐに安くなるのがわかってたら買い控えるヒトはいますよ。単行本は高いから文庫になるまで待つという話は昔からありましたが「ブックオフに並ぶまで待つ」、消費行動としての筋道は通っていると思います。が、まあ、新刊書籍にとっては厳しいですね。
 古本屋は昔からありましたが爆発的に増えたことによって本を買う読者の意識は大きく変わりました。本を手に入れる場として新刊書籍を扱う書店と並ぶ選択肢になったということです。
 ここで重要なのは価格に対する意識の変革です。「本は高い」、昔からそう言われ続けてきましたが選択肢が無いからそれでも成立していました。再販制に守られていたわけです。が、新古書店は新しい本が安く手に入る。これ、実質的に値引きに見えますよね。新刊書店が再販制に守られていたわけでなく縛られていたという事実を新古書店は浮き彫りにしました。

 明日は本日の続きで図書館とオンライン書店の影響について考えてみます。
(第8回に続く)