仕事と晩飯とその他

日記です。

業界再編雑感

小売の再編が先に来た感じがしますが、これから先、出版社も、解体と再編と細分化が一度に訪れそうです。というかそれはそれでダイナミックな時代に突入ということで悪いことばかりでもないわけですが。

変化はダイナミックでありながら成果はわかりにくい感じでしばらく進むんではないかと。で、ある時どーんと大きく変わる。そこに巻き込まれることが得策なのかそうでないのか。欧米の例を見ていると独立系に必須なのは独自性でしょうねえ。

専門性というより「独自性」ですかね。色々言われている晶文社の文化系の出版物には確かに「独自性」があった(採算性はちょっと厳しかったかもしれませんが)。独自性(専門性も含む)と採算性を維持することが独立系出版社の生きる道かと。

でも、統合が進むとなると独自性と専門性のある出版社ほど皆が仲間にしたがるということもあると思います。退職金代わりに会社を身売りする創業者も出てくると思うけど、それ自体は悪いことじゃないし、事業の継承としてはスマートな気もします。

個々の編集者の独立志向は欧米で言うところの「インプリント」みたいな仕組みが望ましいような。レコード会社のレーベルみたいなもんですが。発行・発売を分けるなどすれば今でもすぐに対応可能です。なので発行元の意味での出版社は細分化され増殖するのではないかと。

同時に、発売元としての出版社は厳しい競争を経て絞り込まれるのではないかと。細分化・専門化・独自化することそのものがメリットである製造部門とスケールメリットが有効な販売部門が分かれることで編集も販売も今より大きな自由を得られるのではないかと。

そういう意味で自分はダイナミックな統合はどちらかと言えば歓迎ですし、自社がそれに巻き込まれても悔いはないです。そこで生き残ることができるほどの価値や能力が自分にあるかどうかはまた別の話ですが。