仕事と晩飯とその他

日記です。

例の非再販本『本の現場』

ポット出版の非再販本『<a href="http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7808-0129-3.html">本の現場</a>』、朝日新聞で取り上げられたことで今日はけっこう問い合わせを受けていたようだ。
自分も知り合いに話のタネで紹介したりしていたが、皆さん一様に「自由に価格を決めていいって話になってもマージンのこと考えると値引きしない店がほとんどじゃないかな」といういたって普通の反応。オレもほぼ同意見。が、少数意見として「逆に値上げして売るってことも可能ですか」という方も。そうだよなあ、全国どこでも同じ値段っていうのもおかしな話だ。交通の至極不便なところで輸送運賃を乗せるとか、逆にマクドナルドのように地価の高い都心部で値段を上げるとか、そういう可能性であればマージンの問題は解決されてしまう。まあ、どのみちレアケースだとは思うが。

実際に値引きをするとしたらアマゾンだろう。書店には非再販商品は実は既に沢山ある。出版社が出しているCDとかDVDのパッケージは「定価」ではなく「価格」や「希望小売価格」などと書かれている。それらは基本的に非再販商品、つまり値引きも値上げも可能な商品だ。アマゾンではそれらを値下げして売っていることがある。アマゾンは要チェックだ。

新刊書籍を非再販本とすることに話題作り以外の理由があるのか、まだ手にとってチラ見しただけで中身を読んでいない自分には判断がつかない。だが、少し特殊ではあるが「アール・ヴィヴァン」という「書店」で働いていた永江さんが著書をあえて非再販としてことには何らかの理由があるのだろう。よしんば話題作り以上の理由が無かったとしても結果的に再販問題に一石を投じたという意味合いあるだろう。僅か一個の石かも知れないが実際に投じられたことには価値がある。脊髄反射で「再販守れ」と繰り返す前に考えてみること、もう少しだけあるような気がする。

まったくもって蛇足だが、個人的には永江さんやこの本に登場する幅さん的なおしゃれなセレクトショップ系、ものすごく苦手だ。話に聞いている時はうっとりなんだけどわざわざ行かないし、一度行っても二度とは行かない、はず。オレは本屋に限らず、飾りが無くて実用本位の、倉庫のような店が好きなんだ。だからジュンクは好き。小洒落てんのはパルコブックセンターぐらいが限界。それ以上は無理。というか多分、取次の倉庫が一番好き。倉庫で暮らしたい。