仕事と晩飯とその他

日記です。

俺は好きだよ、紙の本

出版も別にどうこうこだわることもないような気がしてきた。紙が向いているものもあれば電子が向いているものもある。学術系とかは検索が可能なら紙でも電子でもどちらでもいいだろう。学習系は紙かなあ。でも、eラーニングの可能性も捨てがたい。実用系はどっちだろう、電子書籍というより情報誌なんかと同様にネットに押され気味か。読み物はどっちもありだろうが、電子化されるならケータイ小説のように文体や構造そのものが変わるという可能性もある。絵本の代わりはなさそうだ。詩集とか句集とかは、……、あれは形に残すことに価値があるんだろうな、やっぱ。

で、そんなことはさておき、自分の仕事は紙の本を売ることなのでそのための動向を常に考えているのは当たり前の話だと思う。電子書籍売ることになったら電子書籍売ることを考えることになるとは思うが、今はほとんど考えてない。

いや、ちょっと違うな。自分はやはり電子書籍はフルテキスト検索のためのインデックスとしての意味合い以上のものにはなかなかなれないと思っているんじゃなかろうか。あと、本を売るためのおまけというかフックというか、そんなものとしては結構価値があると思うんだよなあ。あくまで紙の本中心の考え方だが。「電子データと紙の本の両方が欲しい」とか言う意見を聞くと、中身のPDFが全部入ったCD-ROMを付録にした書籍とか、ありうると思うんだよね。CD-ROMのプレスと貼付のコストはかかるけど今と比べて極端に増えるわけじゃない。最近はPDF入稿だからPDFそのものはできあがっているわけで。

それはさておき、有名になりたい社長たちが「出版したい」という欲望は結構すさまじいものがあるが、彼ら彼女らは紙の本が出したいんだよな。電子本はおまけであってもいいけどあくまで紙の本。それって象徴的な話だと思う。

最近出版というオールドメディアに憧れの裏返しの敵意をぶつける書籍を見かけるが、そんなに紙の本が嫌なら電子で出せばいいじゃない。既存のメディアで宣伝されることとか断固拒否して。

なんだかんだ文句言いながらもみんな紙の本大好きだよな。ただ、そこに活路はない。彼ら彼女らはもともと紙の本大好きだから。変わらぬ課題は元から紙の本嫌いな人たちだ。

ということで今日の個人的な感想は「紙の本にああだこうだ文句言う人は実は紙の本大好きなんだろうな」ってことで。ま、俺も好きだけどね、紙の本。