仕事と晩飯とその他

日記です。

月に10冊「も」か「しか」か

紀伊國屋書店の全国シェアは雑駁に5%程度であろうと紀伊國屋書店の担当者が言っていたのはもう数年前、今はどうなっているのだろうか。
ジャンルや商品によって違うのは当然だが、初速を見るためにはかなり気になるところでもある。
自社の商品に関して言えば7〜8%といった数字を当てていたのだが、最近はそれより少し高めに出ている気がする。
ともかく、シェアが5〜10%であれば、紀伊國屋書店での月に10冊の売上は全体では100冊〜200冊程度の売上を示しているはずだと考えられる。月に100冊〜200冊というとは単純に12を掛けると年間で1200冊〜2400冊。
実際には時期による変動もある。さらに言うと実売が少なくなったもので、かつ、棚での回転を中心に販売の数字を確保している商品の場合、紀伊國屋書店の比重は高くなるものと思われる。なんだかんだ言っても紀伊國屋書はまだまだ棚に置いてくれるからだ。このあたりの数字はより多くの書店の実売が調べられるP-Netの数字などを見ると一目瞭然だ。これらを鑑みると、紀伊國屋書店での販売が少ないほうが紀伊國屋書店の比率が高くなるのではないかと考えるのが筋だろう。
つまり、紀伊國屋書店でコンスタントに月に10冊程度売れていることから考えられる年間売り上げは1000冊程度とするのが安全だと思われる。

で、問題はこの1000冊を多いと思うか少ないと思うか、だ。継続的に年間千冊売れる本より短期間で数万売る本のほうが効率がよいのは事実だと思うが、そのあたり、新刊で出す場合とロングセラーとして増刷で回す場合との損益分岐を考える必要があると思われる。増刷が必ず割がいいわけではないが、バクチ的な要素が減るのは事実だ。オレが「出版は地味にやってるとあまり儲からない代わりにあまり損もしない」と思っているのはそういう理由。モノをあまり抱えず、しかもあまり動かさないで済む(ロングセラーは返品率も少ないため無駄な物流コストが小さくなる)ということはコストの面での効率が全然違う。下手にヒットを狙い続けて空振りを重ねていくより地味にバントで稼いでいくようなそんなイメージ。