仕事と晩飯とその他

日記です。

予測に使わない

相関分析は予測に使うから信憑性がどうこうになるんじゃないか、と根本的なところを疑ってます。デウス・エクス・マキナとかバタフライ・エフェクトとかいう言葉もそうだけどなぜかそういうくくりで語られると凄く格好よく聞こえる。

でも、本当にそうなのか? 膨大な量のデータがありそれらの相関関係が見えてきたからと言ってそんなに簡単に未来が予測できるのか? 不確定要素をどう盛り込むかの問題ではなく、数値に基づいた予測ということの不可能性についても既に多くの人々が語っているが、「できない」より「できる」のほうが魅力的に聞こえるのは確かだ。

例えば世界を恐慌寸前まで追い込んだLTCMの破綻の要因となったデリバティブ取引は非常に高等な数学をもって為されていた。それであの体たらくかということではなく、ヒトという不確定要素が存在する以上、予測の不可能性を前提としたリスク回避が何重にも為されていなければならないのではないか、ということだ。

自分の結論は、数値は予測にではなく現状の穴を見つけるためにまず使おう、ということだ。手に入る限りの単純な数値によって見つけられる「穴」、これはとてもわかりやすい。「穴」の原因を探ることも含め数値によって行動を促されることは少なくない。

蝶々を踏んだことで未来は変わるかも知れないがそれを予測できるのかどうかというとオレはそれはできないと思っている。葉っぱの落ちる位置を知ることが出来るアリにも劣る存在だということ。数学が無力だとかいうことではなく、不確定要素を扱うための方法論がまだまだ人間の手に負えないということだと思う。カオスとかフラクタルとか、成果も上がりつつあるようだが、そっちのほうは本当にわかりにくい。というか感覚的に「わからない」ということが受け入れにくいだけかもしれないが。