仕事と晩飯とその他

日記です。

二人の上司 その2

給料や福利厚生などの話を聞かされていつから来れるのか、ということを聞かれたように思う。面接のつもりだったが入社はもう決まっているような感じだった。

採用という知らせはバイト先の上司にすぐに報告した。

新しい職場は取次との口座を開いたばかりだった。書店と取次の担当は上司とオレの二人だけ。電話注文のマニュアル作りから始め、伝票の起票や請求書の作成、書籍やムックの立ち上げ、新雑誌の創刊、売行調査の実施、業務システムの導入、もちろん書店営業も、気がつくと総務的なこともやらさせられていたし媒体説明会のプレゼントかも作らさせられていた。編集と経営以外の業務はほとんど関わったと思う。講習も受けたし海外研修もあった。あまり面白くないこともないわけではなかったがそれもこれも含めていい経験になった。

社長が代わって風向きも変わり、オレは仕事で関係のあった社の社長に請われて転職した。失敗だった。

職安で仕事を探して今の会社を見つけた。面接では在庫管理の問題と請求業務のシステム化について説明した。インターネットの利用について聞かれたので前の職場での経験を伝えた。HTMLが書けないとことは言わなかった。まだケータイを持っていなかったオレは面接を受けた後、次の面接に行く間に妻に電話した。そしたら採用って連絡きたわよってことだった。

オレが転職してちょっとしてから前の会社の上司も仕事を辞めて会社を興した。立ち上げからしばらくはその会社の仕事も手伝った。もちろん今の会社の仕事が終わってから。よく飲んだ。やがて昔の上司はいくつかの会社の役員などを経て老舗の出版社の役員になった。

バイト先の上司は子会社に出向した。状況が厳しくなり、希望退職に応じて会社を辞め、出版社の営業部長になった。羽振りは悪く無さそうだった。

バイト先の上司の会社は突然倒産した。昔の上司は降りた。

オレがフリーターにならずに済んだのは、もちろん色んな人のおかげであることは承知の上で直接的にはこの二人のおかげだ。

この二人にも世界のTAKAGIにも、何の役にも立てんオレがいる。現実のオレには何の力もない。非常に残念だ。