仕事と晩飯とその他

日記です。

狭義の出版

いいんだよ、別に。オレは狭義の出版の話しかしてるつもりないし。悲しいことに狭義の出版はその外から見ると大出版社か零細出版社の仕事しか見えてこないし。インターネットは自由なメディアだと思うけど、雑誌や書籍ってのも負けず劣らず自由なメディアだと思うよ。どっちも使いこなしたいけど使いこなせない人間にはもどかしくてたまらないタイプのもんだと思うけど。

逆にIT業界(つうか特に出版からつながっているWeb系)からの視点はメディアってモノを狭い意味で捉えちゃってるようなそんな疑問すら感じるんだ。ITってWebだけじゃないし、メディアとしての可能性はWebだけに限られたもんじゃない(いや、もちろんWebは優れたメディアだと思うけどさあ)。第一、メディアがメディアがっていうけど、メディアだけで成立してるわけじゃなくて中味の問題は常にあるわけで、中味は極端な話メディアなんてどうでもよかったりすることもあるじゃないですか。そういうことって身にしみてませんかね。

VM研は「旧来の出版を紙媒体から解放するためにIT業界と出版業界を結びつけるための集まりである」と思って何度か顔出してみたけど、どうもなんか逆に雑誌媒体の紙をネットに変えました、もしくは、広告媒体として価値を持つ出版の手法(雑誌的・書籍的問わず)を取り入れてみます、程度の話に終始してる気がすんだよね。なんかもっと直接的に「余ってる金出すから再編してみない」ぐらいの話でも良かった気がすんだけど。どこが核になるかって問題あるけど、インプレスなんか結局そんな方向性なんじゃないの? 当事者じゃないから知らんけどさ。

旧来も旧来、自社のWebサイトも持っていないサブカル系の出版社である第三書館の北川さんから「本はメディアだ」とさらっと一言聞いたときのインパクトは忘れられない。

2004/1/18の日記から
「文化や教育ではなく『メディア』としての書籍。いや、別に不思議でもなんでもないのだが、逆に言えばなんでも出せる、という出版活動の前提として、本は文化でも教育でも記録でもなく「メディア」だという認識があったということなのだろう」

ということだ。何はこうだとかどうしたとか狭義だとか広義だとか、そんなことは根っこの部分においてはまったく不要だ。出したい奴は出すしやりたい奴はやる。やりっぱなしで終わらせない、支えるための方法をもっと知りたい、話したい。