仕事と晩飯とその他

日記です。

返品運賃

返品運賃の件、落ち着くところに落ち着く。返品運賃の値上げ自体は基本的に賛成。返品に伴うリスクを出版社が意識することでいろんなことが変わってくる。委託(と、それに伴う返品)を前提とした体系の中で「返品のリスク」はそれぞれがはっきりと認識しないといけないし、リスクが明示されることで削減のための目標も設定できるわけで。弊社はやはり来年に向けて返品率30%未満をめざしたい。あくまで目標だが。

『The Cider House Rules』、通勤電車だけだとなかなか先に進めない(約1/4、本文600ページの内の150ページまで読み進んだ)が、主要な登場人物だけでなく、その家族のことがここまで丁寧に書かれていたとは。ドクター・ラーチをはじめとするセイント・クラウズの孤児院の話はもちろんだが、ウォーリーやキャンディの家族や生い立ちなどなど。映画を先に観ているだけに、色んなところ(ドクター・ラーチが死んでしまった孤児のその後の人生を創作してしまったりするところとかは特に)でこれから先のシーンとの関連を考え、涙が出てきそうになる。それにしてもすごく良くできた話だとは思うが、ヒトによって受け止め方に大きな違いがあるだろうなあ。

ヒトによって受け止め方が違う、というとアッシジの聖フランチェスコの生涯を描いた『ブラザー・サン、シスター・ムーン』という映画を思い出す。『最後の誘惑』とかも受け止め方は違うとは思うが、あれは分かるんだよな、受け止め方が違うの。原作も読んだけど、あえて問題を提起しているという側面はあると思った。だけど『ブラザー・サン、シスター・ムーン』は、生真面目すぎるぐらいに真正面で、下手すると啓示を受けてしまうヒトがいそうなぐらい宗教的な映画でありながら現代的な自由や煩悩への感覚もあったりして、なんというかその辺に複雑な思いを感じてしまう。基本的にはヒトには勧められないとは思いつつ、個人的にはけっして嫌いな映画ではないのだが。