朝の停電。
子供の頃はかなりの頻度で停電を経験していた気もするが、最近ではあまり記憶にない。
信号まで止まっている。家の扉を開けて外の様子を伺う人々があちこちに見受けられる。窓から見える近所のコンビニ、いつもなら昼間でもはっきりとわかる明かりが全く見えない。ガラス越しの暗い店内。
冷凍庫の中身を心配する妻。トイレの水を心配する私。コーヒーでも飲もうかと思うが電気の切れた湯沸しポットはボタンを押しても反応しない。
静かだ。
何の予告も無く、明かりが点く。家電が、それぞれの唸りを立てていつものように生き返る。
クルマででかける子供と妻を見送った後に部屋に戻ると、いつもより2、3度温度が下がっているような気がした。