まるで人生のような梅干。
土日に漬けるつもりだった梅、今日見たら半分以上腐っていた。外に出しっぱなしにしてるから……。いつも冷蔵庫に入れておいてくれって言ってるのに「入らないから」。残った分だけでも今、と言ったら「もういいよ、捨てとくから」。子供に期待されているのに、と言ったら「じゃ謝れば」。もう一回買っといてくれと言ったら「もう売ってないから」。手伝ってくれたらすぐに残りだけでも「いやだ」。
……。
機が熟すのを待ち続ける。出来上がりを思うとそれだけで楽しい。梅を漬けている自分、というステータスを吹聴している時間が、多分一番楽しい。で、実際には待ち過ぎて腐らせる。気がついた時には後の祭。腐った梅は戻らない。誰も手伝ってくれない。自分で漬けないと、梅は腐っておしまいだ。梅干なんてどこにもない。
もう何回も梅を漬けているが、土日のタイミングを外して腐らせてしまったのは2回目だ。
とても、孤独だ。