仕事と晩飯とその他

日記です。

結論を微妙にはぐらかしているような気がするな。

出版社は「紙の媒体を制作し売る業者」なんだと自分は捉え始めているので、出版社が「中間業者」であると考える人々、しかもネット経由での情報伝播がこれからの方向性であると革新している人々に対してのスタンスは明確にならざるを得ない。

「紙の本作って売る業者なので、紙の本の製造コストに見合う企画と販促と流通が必要です」

販売や流通という点を抜きにして「出版社」を語ることには無理があるということ、いや多くのヒトが気がついてはいるのだ、販売や流通を否定することは中間業者としての「従来型の紙媒体を前提とした編集者」を否定することにつながりかねないということに。

ラジオも映画もテレビも紙の本を駆逐しなかったようにネットも紙の本を駆逐するわけではない。もちろん電子媒体に駆逐されてしまうジャンルはあるとは思う。紙よりも電子媒体の方が向いているものはそうだろう。速報性(Web全般)とか双方向性(掲示板等)とか検索(特に電子辞書等)とか。コミュニティの形成ってのもあるかもしれないが紙媒体でもコミュニティはあったしねえ。自分は参加したことないけどSFとかアニメとか、あれはコミュニティでしょ。

紙から電子、電子から紙、どちらに対しても無理のないスタンスで接している分には特に問題ない気がする。紙媒体だろうが電子媒体だろうが「どうやって儲けを出すか」という方法論については大きな違いはない。広告で儲けるか(ひも付きの企画やカタログ雑誌も含む)、小売(アフィリエイトやカタログ雑誌も含む)で儲けるか、情報そのものの販売収入か、コミュニティへの参加を促すか(定期購読なども含む)、文化事業として補助金もらうか(図書館をメインとした出版事業も含む)。他は今すぐに思いつかないが、ネットだって結局はそんなモンじゃないの? 技術を売るとかって手はあるかなあ。上場して株で、とかってのはビジネスモデルとは無関係だからなあ。

いや、だから結局言いたいのは「販売や流通を抜きにして出版は語れなくなってますよ。数万部売る同人誌があったり会員向けに荒稼ぎしてしる小冊子があったりすること、古本の流通やネットでの全文公開などなども含めて」ってことなんだが、これらは無理矢理「編集」の問題として捉えるのではなく「小売」や「流通」の問題として理解するべきなのに。

ま、それでもなんとかなっちゃう気楽な業界ではあるんだけどね。