クチコミを作るために著者を売り込む。

本を売るための方法論として「著者を売り込む」というのはジャンルによっては有効だなあ、と思いつつ、そういう機会がないので全く関わったことがないのだが、先日そういう話を聞く機会があった。なるほど。かなり参考になったが、同時に「著者を売り込むために本を書く」という視点もあるわけで、何となく複雑な気分。いいとか悪いとかではなく、後者にとって本を書くことは目的ではなく手段であるわけだ。前者（本を売るために著者を売る）についても気がついたら手段と目的が逆転してしまっているような事例は枚挙に暇がない。それでいいのかと言われるとどうなのかな、とも思うのだが……。ま、とりあえずは直接的な関係はないので悩む必要もないのだが。

にしても「著者で売れる」ってのはある程度は事実だが確実な保証のあるようなものではない。が、なぜか皆、それにこだわる。いや、こだわることは悪くないのだが振り回される必要はないのではないかと。似たようなものとして「表紙」「タイトル」などもある。それらは確かに売れる要素のひとつではあるが、それだけで売れるわけではない。「タイトルだけで売れた」って言うことはあるが本当にそうだったのかは測定できないからねえ。最近の新書なんかのデータで比較すると面白いかも。でも、面白そうなタイトルの本でも売れない時は売れないみたいなんだけどなあ。