仕事と晩飯とその他

日記です。

スピリチュアルな月イチベストセラー。

弊社の出版ジャンルは偏っており、一般的なベストセラーとは縁遠いのが実態。ではあるが、営業が書店の店頭で話をする際に一般的な話題にもある程度ついていけないと困るだろう、ということで毎月一度のミーティングではPubLineから抽出した一般書のベスト50を見てああだこうだと話をすることにしている。そうやってきちんと定点観測していると自分たちの社では難しいベストセラーの実態のようなものも垣間見ることができるだけだでなく、ごくまれに直接的に仕事に生きてくることもある。弊社では営業部だけですが、全社的に月イチぐらいで世間的なベストセラーのチェック、意外とおもしろいのでおすすめです(特に営業に)。PubLineだと販売数がわかるので現実を知ることもできるしね。彼我の絶望的な差っつうか、社内で「売れてる」が世間的に見たらどんなもんかって冷徹な事実ね。

で、最近色々な意味でとても気になるのは『スピリチュアル〜』でおなじみの江原啓之。売れてんだよ、これが意外と。で、オレも全くテキトーで投げやりにタイトルを考えてみた。『江原啓之と○○のスピリチュアル・マネージメント』『江原啓之と○○の大富豪に教わるスピリチュアルな生き方』『江原啓之と○○のプチお金持ちになるスピリチュアル・マップ』『江原啓之と○○の5万円から始めるスピリチュアル株投資』『江原啓之と○○の世界でNo.2になるスピリチュアル・セールスウーマン』『江原啓之と○○のスピリチュアルとピラティスで素敵なDiet』『江原啓之と○○(現在拘置中)のスピリチュアル小太りBook』『江原啓之と○○(現在拘置中)の絶対ばれないスピリチュアル粉飾決算』……。

後半は行き過ぎの気もするが、本当にこんな本が出てきてもおかしくないような状況なのだ、この業界は。

商売だから、と言っても譲れないものはある。それは自分にとって何かとても大事なことなんだと思う。みんなはどう?

でも、複雑な気持ちだ。オレが今でも本屋で働いているとしたら絶対に「あなたと出会えて良かった! 江原啓之先生があなただけに語りかけるスピリチュアルな本のコーナー みんな幸せになろうね」(仮)を作っていると思う。そしてきっと「売れてんだよ、このコーナー」とか言ってると思うんだ。そんな自分とどう折り合いをつけていくべきなのだろうか、オレは。